やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

太平洋の海は日本の海 - SIDSサモア会議(6)

<日本は遠洋漁業開拓者> 1954年に米国が実施したビキニ環礁での核実験。被爆した第五福竜丸以外に延べ556隻の漁船が被爆したとのニュースがこの9月あった。 1954年には500隻前後の日本漁船が既に太平洋で活動していたという事である。 しばらく手元にあっ…

アダム•スミスと日本の南洋統治

日本の南洋統治(台湾とかもそうかもしれません。)が西洋の植民地と違ったのは、新渡戸稲造が、矢内原忠雄がアダム•スミスを継承したからである、とこのブログに書いておきながら、関連資料はつまみ食いでしか読んでないので、まずは矢内原忠雄の『帝国主義…

「太平洋青年協議会」太平洋の人口問題と海洋問題 - SIDSサモア会議(5)

2009年コペンハーゲン国連気候変動会議でのクリスティーナオラ(ソロモン諸島)さん。 9月1−4日、サモアで開催されたSIDS. 海洋政策研究財団の寺島常務から声をかけていただき、今後のネットワークの可能性を探る宿題もいただいていた。 今回のSIDSの一つ…

レメンゲサウ大統領の国連総会演説

サモアのSIDSで日本財団、笹川平和財団の名前を何度もスピーチで出していただいたレメンゲサウ大統領。 国連総会のスピーチでは下記のように述べていただきました。 「private」とは言わずと知れた日本財団、笹川平和財団。「public」というのは水産庁の取締…

音楽のDNA - 古代ギリシャに求める声明とグレゴリア聖歌の起源

昨年の事だが、未だに感動しているのが、京都、大原、勝林院で聞いた声明。 「これ、グレゴリア聖歌」だと直感で感じた。 仏教文化に西洋のDNAが残っている可能性は最近知った。 吉田考著『日本の誕生』は15年以上も前に渡辺昭夫先生から教えていただいた書…

南太平洋大学学長の握手 - SIDSサモア会議(4)

今月初旬に開催されたSIDSサモア会議。海洋政策研究財団のサイドイベントにスピーカーを確保する事が当方の役割の一つでした。 パラオ大統領の件は既に書きましたが、大統領のハグだけではなく、南太平洋大学のチャンドラ学長から握手を求められたのです。 …

デカプリオ、今度は気候変動の使者に。安倍総理1万4千人の人材育成発表(国連気候変動サミット)

昨日23日、国連気候変動サミットが開催された。 数ヶ月前、米国の海洋会議で「イルカやサメがかわいそう」と訴えたあのデカプリオが、今度は国連の「気候変動メッセンジャー」に任命された。 気候変動。キリバスのトン大統領が、マーシャル諸島のデブルー…

オールジャパンで守るパラオの海

9月22日の読売新聞にパラオEEZ全面商用漁業禁止に関する記事が出た。 英文はこちら "Japan boats face Palau fishing ban" September 24, 2014 By Haruka Teragaki and Akiko Inoue / Yomiuri Shimbun Staff Writers http://the-japan-news.com/news/arti…

海上自衛隊ガダルカナル、パプアニューギニア訪問。そして安倍総理NYで太平洋島嶼国首脳会議開催

(写真は太平洋訪問中の海上自衛隊練習艦船。かしま、あさぎり、せとゆき) フィジーの総選挙等々お伝えしたいニュースは山ほどありますが、海上自衛隊のガダルカナルとパプアニューギニア訪問、そして安倍総理が国連総会で太平洋島嶼国首脳会議開催、とのニ…

小林秀雄ー本居宣長と桜

敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花 2年前に植えた桜の木、ソメイヨシノが、今年も満開になった(上の写真)。いったいいつまでこの木の成長を見る事ができるのであろう? 桜と言えば、ソメイヨシノの思っていたが、『小林秀雄 学生との対話』を読んで…

駒吉

なぜ太平洋島嶼国の仕事していると團伊玖磨さんに出会えるのか?(写真は團琢磨さん、(幼名駒吉)です) 笹川太平洋島嶼国基金は1993年から5年間南太平洋大学に対して日本語講座の助成をしてきた。 しかし、生徒の数は増えないし、自力での持続ー継続の見…

パプアニューギニア独立39周年

写真は独立記念日に向けて熱く語る78歳のソマレ閣下。お元気です。 頭の中は30代のようで、回りの家族が心配している、と言った噂も聞いています。 http://www.pngloop.com/2014/09/13/independence-unity-says-sir-michael/ 安倍総理の訪問で、日本国民にも…

黒人狩り ブラックバーデン

www.sbs.com.au http://www.sbs.com.au/news/article/2013/08/17/south-sea-islanders-mark-sugar-slave-days 慰安婦問題に関連し、今書いておきたい件がある。 この問題深いので本当はしっかり調べてから、と思っていたが、この時期だから書いておきたい。 …

楽園の島に逃げる「お金」 - SIDSサモア会議(3)

世界の民族の数を知らずに「民族の自決」と唱えたウッドロー•ウィルソン大統領の功罪は奥が深い。 世界の小さな島々は主権国家となったおかげで、世界のお金の逃避場所ともなった。 いや、お金の逃避場所にするために主権国家とさせたのかもしれない。 今回…

大統領のハグ - - SIDSサモア会議(2)

<寺島常務からの依頼> 7月末、海洋政策研究財団の寺島常務から、同財団が行うSIDSのイベントに協力して欲しいとのご連絡をいただいた。SIDS 小島嶼開発途上国 ー ぼんやりとは知っていたが詳細は知らない。 しかし、あの寺島常務からの依頼である。「最善…

日本−パラオ自由(若しくは特別)連合協定の可能性

数年前、羽生会長から「頭がおかしいと思われるから決して人には言うな。」とアドバイスいただいた件を、いよいよパラオのレメンゲサウ大統領にサモアで話してしまった。 日本−パラオ自由(特別でも良いと思います)連合。 その根拠として予算の事を沖縄を例…

Possibility of Japan-Palau Free or Special Association agreement

I tried to explain to President of Palau in SIDS Samoa, how much Okinawa received from Japanese government. Japan and Palau may have Free or something Special Association agreement and arrange subsidy. Palau should stop begging from the US…

サモアで会ったキーティング司令官 - SIDSサモア会議(1)

9月1−4日、サモアで開催された小島嶼国会議が終了した。 http://www.sids2014.org 世界の民族の数を知らずに1919年のベルサイユ会議で「民族の自決」を訴えたウッドロー•ウィルソン大統領の功罪を改めて目の当たりにしたような気持ちだった。 日本外務省…