やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

年末の読書『インヴィジブル•ウィポン』

締め切り間近の原稿を抱え、本当はそっちに集中しなければならないのだが、読み出した2冊の本が面白くで、止まらなくなった。 一冊は以前グラフにまとめてブログに書いた本で『インヴィジブル•ウィポン』である。 結構長いのだが、続きが読みたくて朝の4時…

パラオ レメンゲサウ大統領訪日(3)解放記念日

パラオ大統領、天皇陛下と会見 2014年12月17日 太平洋で仕事をするということは、先の大戦に向き合うという事なのである。 グアム、サイパンには日本占領からの解放記念日がある。 グアムは7月21日。サイパンは7月4日。 10年以上前だが、これをサイパン…

パラオ レメンゲサウ大統領訪日(2)違法操業

日本記者クラブでのレメンゲサウ大統領の講演。 「ここで明確にしておきたい。日本漁船が一番法を遵守しており、このような漁業活動は海洋保護区制定後も歓迎したい。」 "Let me take this opportunity to say that of all the fishing companies in Palau t…

パラオ レメンゲサウ大統領訪日(1)太平洋EEZを守れ

2014年の最後の(多分)天命は、ミラクルと共に降り立ったのである。 選挙でこの話は流れたか、と危惧していたがパラオのレメンゲサウ大統領が12月16−19日訪日された。 これが以前ブログに書いた今年初頭に笹川会長と面談した際に議論させていただいた案件で…

日本財団パラオにNippon Maru IIを寄贈

先日、日本財団よりパラオにNippon Maru IIが寄贈された。 コロールとペリリューを結ぶ定期船である。 パラオに旅客船寄贈 台風で沈没、後継に 産経 2014.12.15 http://www.sankei.com/photo/daily/news/141215/dly1412150043-n1.html 日本財団は1990年にNip…

太平洋の海底ケーブル

以前ちらっと読んで気にはなったがちゃんと記録していなかった太平洋の海底ケーブルの起源と発展。やっとその資料が見つかって喜んでいる。しかも、この本日本語版も出ていた。 インヴィジブル・ウェポン―電信と情報の世界史1851‐1945 単行本 – 2013/6 D.R. …

外務省アジア大洋州局伊原局長、フィジーのイノケ外相を表敬

フィジー外務省ウェッブより 外務省アジア大洋州局伊原局長がフィジーのイノケ外相を表敬したとのニュースがフィジー外務省に掲載されている。 えっどこで?伊原局長フィジー訪問?それともイノケ外相日本に来ていたのだろうか?と、色々他のニュースも探し…

太平洋に消えるお金の話、復活

2010年、ペリリューとアンガウルに大規模なリゾート開発がありいつの間にか立ち消えとなった件がある。 「太平洋に消えるお金の話し」としてこのブログでも軽く取り上げた。 現在議論されているパラオのカジノ関連の情報を検索していたら引っかかったのだ。 …

パラオ、自由連合協定ーカジノ法案通過ー中国の汚職マネー

<なぜ今カジノ?> 先月11月にパラオのHouse of Delegatesがカジノ法案を11対1で承認した。 現在Senatesの審議がされている。 最終案ではカジノ経営者は最初の6年で300億円(毎年50億円)のライセンス料を政府に払う事になっている。 なぜこの時期にカジノ…

インターネットガバナンスと太平洋島嶼国

1988年、笹川平和財団主催の太平洋島嶼国会議開催の周辺で、フィジーのカミセセマラ大統領から、笹川会長に依頼があった。 「太平洋の島々のために衛星を打ち上げて欲しい。」 私の前任者は一応調べたようであるが、とても一民間財団が扱う内容ではない。当…

緊急提言: 第7回PALM向けてー皆で観よう「フラガール」

The 7th Pacific Island Leaders Summit will be held in Fukushima, Japan in 2015. We Japan has largest population of Hula dancers in the world - 400,000. Fukushima is one of the centers of Hula in Japan. This movie tells us how Fukushima was…

パラオ、ヤップのベトナム漁船違法操業

先にこのブログでも取り上げた、パラオ、ヤップでのベトナム違法操業取締の経過ニュースを見つけた。 パラオ海洋警察に拿捕された83人のベトナムの違法操業の漁師は、必要な分の食料と燃料をパラオ政府からもらい、一艘の船で送還されることになった。 残り…

Why Should "Colonialism" Be A Dirty Word?

1930年から2000年まで、70年間続いた雑誌、Pacific Islands Monthlyとうのがある。 確かフィジーのスヴァで発行されていた。 ちょっと調べ物があって図書館でアーカイブを見ていたのが、結構面白い記事が散らばっている。 1960年代の事で、太平洋で最初の独…

違法操業の犯人は太平洋島嶼国?

<違法操業の犯人は太平洋島嶼国? 最初にこの事に気づいたのは、水産庁前次長宮原正典氏の下記に引用した講演のコメントである。 「まぐろを巡る国際問題」から引用。 http://fsf.fra.affrc.go.jp/open/kiro/pdf/kouenmiyahara.pdf 「ところで、IUU、IUU と…

ミラクル、天命続きの2014年を振り返って

少々早いが2014年を振り返りたい。 まさに天命に導かれた、ミラクル続きの年であった。 最初の天命は年始の笹川陽平会長との面談であった。会長からいただいたご意見やコメントをきっかけに、天命に導かれて安倍総理の歴史的太平洋訪問に関わる事になってし…

かきあげ

「マザーウォーター」という映画がある。 たまたま京都のロケに出くわした事もあり、好きな映画の一つになった。 映画館で観れなかったのでDVDを購入。時々観ている。物語のない物語。 なんとなく京都へ行ったような気がする。 何度も観ていると色々な事が脳…

海洋保護とレッシグ、ピケティの講演

太平洋の拡大するメガ海洋保護区とその背後で蠢く環境団体の資金調達システム。 2つのTEDの講演が、この問題をうっすらわかりかけてきた自分の頭に訴える。 唸る大金、逃げたい大金がある。 世界のビリオネラーが愛する太平洋の海がそこにある。 「皆で共和…

『残心』を読んで(1)

笹川陽平会長のブログの更新の案内をほぼ毎日いただく。 実は、会長の毎日のハードスケジュールは、心臓の手術をされた以降、急に気になって拝見するようになった。 その中で松岡正剛氏とよく面談されているのが気になっていた。 松岡正剛著『フラジャイル』…