やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

トランプ大統領、オバマの海洋政策破棄(追記あり)

6月19日、トランプ大統領の大統領令がまた出ました。 今度はオバマ時代に役人が作った海洋政策を無効に。エネルギー開発、 漁業・経済発展に重点を置いた政策策定指示。 Executive Order Regarding the Ocean Policy to Advance the Economic, Security, and…

カート・キャンベルがトランプ政権を絶賛

「あの」カート・キャンベルがトランプ政権を絶賛している。 2008年ミクロネシア海上保安事業が始まった時、「あの」クリストファー・ヒルから国務次官補で思いっきり嫌味のこもった手紙をもらった。 ヒルの後に来たキャンベルはヒラリー長官のアジア回帰の…

米国環境NGOは中国のプロパガンダ組織

米国環境NGOが中国のプロパガンダ組織となっている事を指摘する手紙が、House Committee on Natural Resourcesの共和党議員から2018年6月5日付で発信された。 GOP Lawmakers Accuse Environmental Group of Aiding in Chinese Propaganda Efforts By JACK CR…

中国の軍事基地となるバヌアツ:その後

この4月、バヌアツに中国軍の港湾が、というニュースがオーストラリア発で世界に流れた。既に4回に分けて事情を書いてきたが、その後もニュースをフォローしている。 バヌアツ - ミュージカル南太平洋の舞台から中国軍事基地へ(1) https://yashinominews…

無鄰菴にてー持続可能な日本庭園

山縣有朋が、京都東山に疎水を引き込んだ日本庭園を持つ別荘「無鄰菴」を作ったのは1894−1896年。今、植彌加藤造園が管理している。 夕暮れの「無鄰菴」で蛍を見る会があり、植彌加藤造園の方(女性)と話す機会があった。 私が京都にいるのは同志社大学で海…

研究者?実務者?

Facebookの世界はまさに「不思議の国のアリス」 一昨日「笹川に関わったジャーナリストが仰向けになって海に浮いていた。誰にも言ってはいけませんよ。」 というメッセージを見ず知らずの人からいただいた。なぜ仰向けなのだろう?と不思議に思いながら、そ…

島サミット特集:北朝鮮を支える太平洋島嶼国の便宜置籍船

今回の島サミットが画期的だった理由の一つにこのブログでは散々取り上げている、太平洋島嶼国の主権ビジネス、その中でも北朝鮮を支援している便宜置籍船の件が首脳宣言に明確に書き込まれたことだ。下記の部分である。 「特に,首脳は,いわゆる「瀬取り」…

島サミット特集:安倍総理スピーチの分析評価ー歴史的海洋の権利

「これから力を入れたいのは、第一に、海の秩序に法の支配を打ち立てることです。古来、私たちの海の恵みをもたらしてくれた太平洋。その太平洋で我々が昔から持っている権利を、国の大小に関わりなく守ってくれるのが法の支配です。」 英語では "Where Japa…

SDGsのフェイクな海洋問題ー世銀に水産資源を教示せよ!

SDGs 持続可能な開発目標。 2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs) の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030 アジェンダ」 2016年から2030年までの国際目標。 (外務省のサイトからhttps://www.mofa.go.jp/m…

山中仁美『戦間期国際政治とE・H・カー』(2017年 岩波書店)読書メモ

山中仁美『戦間期国際政治とE・H・カー』(2017年 岩波書店) 1. 同書を選択した背景 私の博士論文のテーマは太平洋島嶼国と海洋の管轄権の問題である。数千から数万人の人口を持つ太平洋島嶼国の主権国家として存立基盤が「自決権」である事は明確だ。博士…

ジャパタイのフェイクニュース?ー ヤップ島と日本

ジャパンタイムズに「日本人が忘れたヤップ島」と言う魅力的なテーマの記事を見つけた。期待しながら読み始めたのだが、嘘ばかりが書かれていて、最後には怒り爆発。 Yap, the Pacific island Japan has almost forgotten Former Japanese colony celebrates…

博論ーロシアインテリジェンスがダウンロードか?

オープンアクセスにしている一つ目の博論。 どこからダウンロードされているのか統計が出る。 1年少しで合計600回近くダウンロードされているのだ。 以前からロシア・中国からもダウンロードされていて驚いていたのだが、先日見たら、米国(111)に次いでロ…

30億円の基金を任されて(8)

30億円の基金の立ち上げに躓いて、それを26歳の私に「自由奔放にやってくれ給え」と丸投げしておきながら、信じられない話だが何のサポートもないどころかすぐにセクシュアルハラスメントが総務部長だったか課長だったか宮本という人から受けた。 財団の飲み…

島サミット特集:フォローアップ提言

前々回の第6回島サミットに「海洋問題」と「米国の参加」が入ったのは私が提案したからである。当時の大洋州課課長(確か飯田さん)がわざわざ連絡をくれたのだ。 (具体的に書くと笹川会長の名前で、財団として出したかったのだが、当時の国交省元審議官の…

シャングリラダイアログ:マティス長官の演説

6月1日からシンガポールでシャングリラダイアログが開始。17回になるという。 私はミクロネシア海上保安事業が2008年に開始、安全保障の議論を追うために確か2010年位から見てきたように思う。2012年のパネッタ長官のスピーチは未だに記憶に残っている。ま…