やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

日本はルビコンを渡ったのか?

私が2008年に立ち上げ、現在までも関与しているミクロネシア海洋安全保障事業の経緯を辿る上で、その哲学とした「樋口レポート」を読み返した。そしてこの「樋口レポート」に関する研究も探してみたが、この文書を書かれた渡辺昭夫先生ご自身の論文が出てき…

委任統治の起源 非併合の植民制度

Origin of the System of Mandates under the League of Nations by Potter, Pitman B. 非併合の植民の起源は米国だった。。。あとでメモ書く。 https://tile.loc.gov/storage-services/service/ll/lltreaties/lltreaties-ustbv001/lltreaties-ustbv001.pdf

ミクロネシア海洋安全保障事業から安倍総理のFOIPへ/From the Micronesian MARSEC Project to the Abe's FOIP

ミクロネシア海洋安全保障事業から安倍総理のFOIPへ 2008年、私が一人で立ち上げたミクロネシア海洋安全保障事業。RAND研究所やフランスのifriが取り上げてくれるのは嬉しいがこの事業を知らない日本人から嘘の情報を聞かされている。日本財団は造船利権しか…

乃木坂46ファンと古屋圭司衆議院議員へ

乃木坂46ガールズがパラオに行ったらしく、また例の日本語がパラオの公用語とか国旗は日の丸のコピーという嘘がSNS で撒かれています。 嘘です。 日本語が公用語になっているのはアンガウル州の1州だけです。パラオには16の州があります。アンガウルの人…

水産庁取締船パラオ派遣と平和安全法制 Deployment of Japan Fisheries Agency patrol boat to Palau and the Peace and Security Legislation

パラオEEZ監視に派遣された水産庁取締船「みはま」と「うめさと」 日本国水産庁漁業取締船「うめさと」のパラオ寄港https://www.palau.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00696.html 水産庁取締船パラオ派遣と平和安全法制 日本財団の新たな利権となった監…

チャゴス諸島を巡る国際法

インド洋に浮かぶチャゴス諸島に関しては、島嶼であり、自決権であり、海洋保護区であり、国連決議やICJの勧告、そして英国政府の旧植民地への対応など興味深い例が山のようにある。 TWでチャゴス諸島の人々の声をフォローしているが、「人民の自決権」はこ…

The Micronesian MARSEC Project and the Ship Building Concessions of the Nippon Foundation

故人となられたTrood議員とBateman博士。このお二人の支援がなければ豪州政府を黙らせることはできなかったであろう。 The late Senator Trood and Dr Bateman. Without the support of these two men, the opposition of the Australian Government could n…

北方領土と南洋統治領

米国ジェームズ・F・バーンズとソ連ヴャチェスラフ・モロトフ 北方領土と南洋統治領を暗黙の合意で併合 James F. Burns, USA and Vyacheslav Molotov, USSR Annexation of the Northern Territories ofJapan and the South Sea mandate territory by tacit a…

NZ総選挙を目の前に中国を牽制するヒプキンス首相

New Zealand prime minister says Pacific region less secure due to China's assertiveness | Reuters ニュージーランドのクリス・ヒプキンス首相は月曜日、太平洋地域は、中国の主張が強まるにつれ、争いが激化し、安全が保たれなくなってきていると述べ…

マクロン再び太平洋訪問!

French President to make historic visit to Vanuatu, PNG | RNZ News フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、来週の金曜日に短い太平洋旅行の一環として、パプアニューギニアを初めて公式訪問する。 マクロンの旅行はバヌアツも含まれ、ニューカレド…

All Japanese governments opposed to the Micronesian MARSEC initiative

天皇皇后両陛下パラオ訪問時宿泊施設となった海保の船 RAND研究所、IFRIがミクロネシア海洋安全保障事業を取り上げてくれた事は感謝しているが、この事業に一切関与していない日本人専門家から嘘と作り話を聞かされ、そのまま書いている事は、今後のインド太…

Why did IFRI and RAND wrote a false report on MARSEC in Micronesia?

2008年5月FSMモリ大統領からMARSECの合意をもらった 2008年から私が一人で、提案し、立ち上げ、推進してきたミクロネシア海洋安全保障事業。安倍政権のインド太平洋構想に私が海洋安全保障と太平洋島嶼国を結びつける機会まで得たことで現在に至っている。 …

Japan-US alliance and Micronesia maritime security project

2つ目の修士号のご指導をいただいた渡辺昭夫教授 先生との出会いがなければミクロネシア海洋安全保障事業のアイデアさえ浮かばなかった 2022年、フランスの国際問題研究所(IFRI)アジア事業責任者であるCeline Pajon女史から太平洋島嶼国の海洋安全保障につ…

インド太平洋とツツガムシ/大東亜戦争 Indo-Pacific & Tsutsuga-mushi/ Greater East Asia War

Ni-Vanuatu (バヌアツ人のことをVanuatuanとは呼びません)の友人のおかげでインド太平洋に生息する恙虫の存在を初めて知る機会を得た。 明治になって初めてドイツ人医師のErwin Bälz によって研究に着手。その後北里柴三郎も研究に挑戦した恙虫。その後多…

日本の太平洋島嶼国政策と原子力/Japan's Pacific island policy and nuclear energy

フランスの研究所、French Institute of International Relations (IFRI)のCeline Pajonが日本の太平洋島嶼国政策に関する興味深い報告書を書いた。私も数時間に渡り情報を提供し、私自身の事も書かれている。しかし彼女が参照した日本人の情報は嘘が多く、…

インド太平洋とツツガムシ:ベルツ、北里が研究に着手 Indo-Pacific & Tsutsuga-mushi:Bälz and Kitasato initiate research

恙虫は刺されたら命を奪われる伝染病として長年恐れられたきたのである。日本の東北の特定地域でその生息は確認され、虫の祟りを祓うような伝統的祭事や祠がある。有名なのが出羽三山の松礼祭。大晦日から年明けにかけて行われる。 『死の虫』の著者、小林照…

インド太平洋とツツガムシ Indo-Pacific & Tsutsuga-mushi

図1:ツツガムシ病の流行地域(出典:Mandell, Douglas, and Benett’s Principles And Practice of Infectious Disease 8th Edition, p.2225-2226, FIGURE 193-1) https://www.kansensho.or.jp/ref/d41.html より Ni-Vanuatu (バヌアツ人のことはVanuatuan…