やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

日本海洋政策学会の第7回年次大会に向けてー島嶼国違法操業の現実

EEZ全面海洋保護区が制定されたパラオの海域で何か起っているか? 皮肉な事にこの法案に反応した水産庁が派遣した取締船「みはま」がパラオEEZ内の異常な状況を発見してしまったのである。 パラオにはEEZまで航海できる取締船は豪州が供与した監視艇が一隻あ…

捕鯨問題 科学と裁判所の関係

太平洋を渡り歩いていると、特に海洋問題をやっていると「捕鯨」の問題は避けて通れない。 それで、わからないなりに時々フォローしている。 下記のニュースが出てTWを少し賑わしているようだが、その内容が大いに疑問なのだ。 捕鯨訴訟、国際司法裁判所で応…

日本海洋政策学会の第7回年次大会に向けてーメガ海洋保護区は何のため?

日本海洋政策学会の第7回年次大会での発表には、島嶼国の海洋管理に対する法執行の限界をいくつかの点から指摘したい、と考えている。 その一つが多分、今日10月28日に大統領が署名するであろうパラオの海洋保護区制定である。 たった20名強しかいない…

日本海洋政策学会の第7回年次大会に向けてーThe Emergence of a Regional Ocean Regime in the South Pacific その2

前回ご紹介したBiliana Cicin-Sainさんの下記のペーパーをパワーポイントにすべく表にまとめてみた。 Biliana Cicin-Sain and Robert W. Knecht, The Emergence of a Regional Ocean Regime in the South Pacific, 16 Ecology L.Q. (1989). Available at: ht…

日本海洋政策学会の第7回年次大会に向けてーパラオと日本のEEZ

やはり学会発表を控えると気合いが入る。 以前より作成してみたいと思っていた、小島嶼国が広大なEEZを保有する意味を数字で表してみた。 日本とパラオだけだが、できれば米豪や他の島嶼国も作成してみたい。 その結果は下記の通り。 【人口一人当たりのEEZ…

日本海洋政策学会の第7回年次大会に向けてーThe Emergence of a Regional Ocean Regime in the South Pacific

12月開催の日本海洋政策学会の第7回年次大会に応募した研究テーマが審査を通過したとの連絡をいただき焦っている。 急遽笹川平和財団海洋政策学会研究所古川博士に連絡をして確認した。 私「何かの間違いではないでしょうか?応募研究件数が少なかったとか。…

パラオの海洋保護区法案下院を通過

なんとパラオの海洋保護区法案が下院を通過してしまった。 上院も問題なく通過し、来週には大統領のサインがもらえる、という話だ。 ウーーンと唸るしかない。。 「そんなの帝国主義だー、植民地主義だー」と羽生会長から吊るし上げにあった時、当方も黙って…

日・パプアニューギニア首脳会談及び夕食会

パプアニューギニアのオニール首相が来日し、天皇皇后両陛下にもお会いになる事をニュースで読み気になっていた。 パプアニューギニアは、笹川良一氏が、世界でただ一人、建国の父ソマレ閣下の要望を聞き入れ、独立の支援をした事で誕生した国である。革命家…

米国の海洋政策の今

昨年デカプリオとパラオのレメンゲサウ大統領を招いて米国が開催したOur Oceanという会議。 今年はチリで10月5−6日開催。 米国からはケリー外相が出席。パラオからはベル副大統領が出席。 その席で米国の海洋政策の最新情報が発表された。 7項目があげ…

A Twenty-five year journey into telecommunications in the Pacific Islands

太平洋島嶼国の仕事をして25年になる。 別に陰徳の美とかで隠している訳ではないのだが、自分の業績を言っても「あなたにそんな事ができるわけない」とか「あなたがそんな事をしてはいけない」とか言われる事がある。 自慢したい業績の一つが情報通信分野…