やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ヒーゼル神父 Fr Hezel

今年最後のブログ。ミクロネシアで半世紀活躍して来たイエズス会のフランシス•ヒーゼル神父の事を書きました。 笹川太平洋島嶼国基金が助成し、成功した事業が大きなきっかけとなりニューヨークのイエズス会から召還。現在不幸な立場に追い込まれています。…

『エンリケ航海王子』金七紀男著

期待しないでついでに買った本が期待に外れて面白かった時ほどうれしい事はない。 『エンリケ航海王子』はそんな本である。 グロティウスの自由の海につながるポルトガルとスペインの2極支配。 特に地球の上に勝手に(いやキリスト教の神の名において)引い…

やっぱり気になるPPBP

2008年5月、笹川平和財団がミクロネシアの海洋安全保障をやろうと決めたのは、偶然にも冷戦後太平洋の海洋安全保障をPPBP(Pacific Patrol Boat Program)で一人守ってきた豪州王立海軍が、「もうやってられまへん」と宣言したのと同時だった。 このあまりの…

『日本帝国と委任統治』南洋群島をめぐる国際政治1914-1946 等松春夫著

『日本帝国と委任統治』南洋群島をめぐる国際政治1914-1946 は以前より気になっていた資料である。 この本の基本構想が以前ご紹介した『南洋群島と帝国・国際秩序』浅野豊美編集 の一章に納められている。 第一世界大戦後、日本がミクロネシアにどのうように…

『平和の条件』ー ウィルソンはんとトルーマンはんのせいどす

「なんでこんな小さな島国に200海里を持たせたのかしら」 某会議での有識者のコメントである。思わず 「それは、ウィルソンはんとトルーマンはんのせいどす。」 と無識者の私は心の中でつぶやいた。 とはいえ、トルーマンは、米国は、戦前アラスカに進出…

台湾海軍パラオ台風災害支援

大型台風ハイアンがパラオに残した爪痕は10億円以上の被害になるようである。 死者、負傷者はいなかったものの、北部カヤンゲル島は打撃的被害で、復旧作業は遅れている。 その中で台湾海軍2隻が支援物資を積んでパラオに到着した、とのニュースがあった。 …

パラオ大統領の訪日

12月1−4日にパラオのレメンゲサウ大統領が日本財団の招聘で来日。 下記インターネットにあった情報を拾ってみた。 レメンゲサウ・パラオ大統領による表敬-平成25年12月3日 http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg8941.html パラオに2隻目の小型警備艇/…

ブリストル湾事件ー it’s not just about fish!

オーストラリアのケアンズで開催されていたWCPFCの会議が終了した。 評価は低いようであるが、漁業資源の最大消費国日本が、PNAの枠組みでフィリピンと共に漁業資源捕獲削減の方向を示した事は、太平洋の過去20年の歴史上始めての事であるらしい。 ここら辺…

専業主婦と貧困問題

「米国は日本の女性の地位が低いとか言うけど、関西のおばちゃんパワーを見てみなさい。日本には日本の価値があって、女性もそれなりの地位を持って来たんです。」 海洋政策を語っていた時に、男性の上司から出てきたコメントである。 ご本人の安全のために…

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』マックス・ヴェーバー

小室直樹さんの著書で知った『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』。 実は10年ほど前に入手したのだが、どうせ読んでもわからないと思って開いた事はなかった。 しかし、ビリオネラーと知り合いになったり、経済開発論を扱うようになって、やっ…