やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて30年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

チャタムハウスのインド太平洋事業ーCleo Pascal女史との出会い

「X月X日リエコ、日本にいる?会える?」 チャタムハウスのクレオから連絡が来たのが1週間前。 急遽、彼女が責任者のインド太平洋事業に協力することになった。 何やら日本のカウンターパートが急に都合が悪くなったのだそうだ。 私が安倍政権のインド太平…

「日本軍国主義の国際法論」松井芳朗 読書メモ

インド太平洋構想とアジア主義の関連から始まって、大東亜共栄圏、そして大東亜国際法の存在まで辿って来た。この大東亜国際法は戦後ほとんど研究されていない中で、あの、自決権研究の権威松井芳朗先生が70年代に論文を出している、とういう。 東京大学社会…

Nina of PINA - Memoire of Nina Ratulele

I first met Nina Ratulele around 1992 or 1993, just after I joined the Sasakawa Peace Foundation and was in charge of the Pacific Island Nations Fund (SPINF). SPINF was established in 1989 with about 30 million USD as an endowment. However…

パラオの子供たちを 麻薬から守れ!

名古屋大須ロータリークラブのご招待で講演した内容を掲載します。やっと笹川陽平や笹川平和財団にされたことが話せるようになりました。 スライドも掲載しました。 主催:名古屋大須ロータリークラブ 日時:令和元年12月12日 場所:名古屋東急ホテル 同志社…

ウイグル弾圧とユニクロ・無印良品

京都河原町三条に西日本最大のユニクロ開店という事で友人に誘われて見に行った。 ユニクロがいかに地球環境や貧困に貢献しているかが店内の壁に書かれている。仕事柄そのいう文章を批判的にじっくり読んでしまう。そして世界の貧困や環境問題をあまりにも綺…

ソロモン諸島台湾断交 ー マライタ島の動き (2019.11.25-12.4)

ソロモン諸島台湾断交から3ヶ月。 英国女王が国家君主である。100前後の言語、民族のソロモン諸島がその歴史の中で統一した事はない。英国植民地支配で始めて植民地としての地域のまとまりができた。独立後も英国の女王を君主に迎え、英連邦国家の一員とし…

中国のカール・シュミット旋風

カール・シュミットの帝国主義論のメモを書いている最中に偶然みつけた論文。 鈴木敬夫。「国家主義と寛容 : 中国にみる『敵・味方論』の不寛容を問う」 専修総合科学研究、24巻 2016年。 専修大学学術機関リポジトリ(SI-Box) なんと、中国では熱く、カー…

カール・シュミット『現代帝国主義論』(5) 現代帝国主義の国際法的諸形態(1932)

翻訳者の長尾氏が本の題名に選んだ、すなわち一番重要な位置づけの論文である。 米国が経済的帝国主義国家である事を書いている。それはアメリカの建国精神にも観られる政治と経済を対比して帝国主義に見せていないだけで、シュミットは「ともあれ米国の帝国…

国際機関をめぐる現代的位相

IWCの交渉官として長年関与されてきた森下丈二氏の一番新たらしいペーパーが国際問題2019年11月号に掲載されていた。巻頭が中谷和弘教授の「国際機関をめぐる現代的位相」で、両方読ませていただいた。 IWC脱退を巡っては国際法違反とメディアやSNS に書かれ…

カール・シュミット『現代帝国主義論』(4) ライン地域の国際法的諸問題(1928)

1928年、ドイツ歴史学会における講演。ナチ党が選挙で12席を得た年だ。シュミット、39歳。第一期はワイマール憲法起草者フーゴー・プロイスの後任としてベルリン商科大学の教授に就任する年の思想、歴史観。 ベルサイユ条約はドイツに課した賠償金の大きさ…