戦略的に重要なパラオ
米国国務省、我らがフランキー国務副次官補のTestimonyを読んだ。
なぜ「我らが」なのかというと、昨年11月にパラオで開催したミクロネシア海上保安案件の会議に彼女が駆けつけてくれ、かなり協力かつ強力に米国大使のサインをRecord of Discussionに取り付けてくれたからである。
駆けつける直前は、クリントン長官のアジア太平洋訪問に同行していたから、米国のアジア太平洋戦略を身をもって見てきたばかりである。彼女は国務省のBureau of East Asian and Pacific Affairsに所属している。
下記の文章はフランキー・リード国務副次官補が、パラオとの第2期自由連合協定継続について上院議員委員会にその必要性、重要性を説明したものである。2009年に第1期自由連合協定が終了、もう第2期に入っているが議会の承認はまだ得ていない。パラオのトリビオン大統領も現在訪米中。ロビー活動を行っている。
米国が日本占領からパラオ解放し民主主義を導入、という部分を抜かせば、ほぼ賛同である。
パラオに民主主義を紹介したのは日本統治、という説もある。
なぜか。日本の南洋統治は地元の伝統的首長家族ではなく、優秀な人材を取り上げ、育てた。よって今まで身分が低い人々が実力で評価され、社会のリーダーになれるようになったのだ。当時、日本人は初めての植民地運営を必死で研究実践していた。
で、なぜパラオが大事か。
それは米国の太平洋戦戦略上、韓国・日本とオーストラリアを結ぶ南北のarcとカリフォルニアからフィリピンを結ぶ東西のarcが交差するところにパラオが位置しているのである。
またパラオは常に米国支持の姿勢を崩さない。国際社会で小国の一票の重さは変わらない。
我々のミクロネシア海上保安事業は日米同盟をミクロネシアでどのように展開するか、という点において重要なはずである。
かつてパラオのペリリューで激戦を行った日米が、共通の海洋安全保障という目的をもって共に行動する時代を切り開かなければならない。
Frankie Reed
Deputy Assistant Secretary
Senate Committee on Energy and Natural Resources
Washington, DC
June 16, 2011
U.S. COMPACT OF FREE ASSOCIATION WITH THE REPUBLIC OF PALAU: ASSESSING THE 15-YEAR REVIEW