やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

OIST - SOEST 沖縄ーハワイを結ぶ海洋科学

琉球大学主催の「島と海」のシンポジウム参加のために沖縄に来ています。 国際沖縄研究所の藤田陽子教授の依頼でコンセプト作りからお手伝いしましたが、実際は海洋政策研究財団の寺島常務のご指導をいただきなから、進めてきました。 寺島常務のアドバイスの一つが沖縄に2011年に開設された沖縄科学技術大学院大学- OISTとの連携。 OIST海洋生態物理学ユニットの御手洗教授と連絡が取れましたが、今回のシンポジウムには日程のご都合で聴衆者としてご参加いただきました。 それから、パネラーとして推薦させていただいた参加者の一人がハワイ大学海洋地球科学技術学部 - SOESTの学部長補佐クリス•オストランダー氏。 2008年にミクロネシア海上保安事業を立ち上げた際、米国の太平洋の動きを把握しておく必要があると思い、ウェエブ見つけたのがPacIOOSで、彼は当時この事業の責任者。今回のシンポジウムでは米国の海洋政策を話してもらいましたが海洋科学も彼の専門です。 昨日クリスを連れてOISTを訪問。噂には聞いていましたが、すごい建物です。 御手洗教授は、クリスが5年前に立ち上げた海洋モニタリングデータシステムPacIOOSの開発をまさに進めている最中で、スタッフの皆さん異常な熱気でクリスの2時間近い説明に聞き入っていました。 5年前、私がハワイを訪ね始めて説明を受けた時「ヘーすごい」と思っただけでデータの意味もわからず放っておいた事を何か罪深く感じてしまいました。 海洋科学分野はOISTの中でもっと進めなければいけない分野であると学長、副学長も普段から主張されているそうで、クリスは改めてOISTに招聘される事に。そしてOIST海洋生態物理学ユニットからもSOESTにスタッフが研修に行く事が協議されました。 島と海の問題は外からの視点、海外との協力やネットワークが必要、とこれも寺島常務のアドバイスです。 沖縄とハワイの海洋科学分野の協力、しかも対象は沖縄とハワイだけでなく、太平洋島嶼国もカバーした事業に発展する可能性も十分ありそうです。 OIST海洋生態物理学ユニットの皆さんには2015年に福島開催が決まった太平洋島サミットの主要議案は「海洋問題」である事をしっかりお伝えしておきました。