やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

Googleの蜻蛉号が駆け付けたバヌアツのサイクロン災害

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バヌアツサイクロン災害で、離島の救援活動をしている超豪華ヨット、ドラゴンフライ号(蜻蛉号)はグーグル創立者ラリー•ページの持ちものだった。

Dragonfly’s mercy mission to Vanuatu

Paul AshtonMarch 26, 2015, SuperYacht World

http://www.superyachtworld.com/news/dragonflys-mercy-mission-to-vanuatu-7172

サイクロン1週間後には寄港していた北太平洋のポナペからバヌアツに到着。

船には水を作る機能があり、今まで5万リットル水を提供。

バヌアツ到着後医療関係者が乗船し、1週間で10の離島の村々の220人のけが人を治療した。

ドラゴンフライのキャプテンは昨年同地を訪ねた際に歓迎してくれたバヌアツの人々にお返しができて嬉しい、と述べている。またユニセフ赤十字とのコラボが重要だった、とも。

今回の救助活動はページ氏の即断、指示だった、という。

この超豪華ヨット件はこのブログでバヌアツの被害進捗を取り上げる優先度は高いと思わなかったが気にはなっていた。

グーグル、だったのか。

ページの資産は203億ドルとwikiにあった。

ビリオネラーには直接お付き合いする機会もあり詳しくなってしまった。

世界で格差が広がる中で、この超お金持ちの、超豪華ヨットが、最貧国の(でも世界で一番幸せな国)バヌアツの災害支援にかけつけた、という話は考えさせられるところが大きい。

まず、ミクロネシア海上保安事業を民間財団の立場から支援して痛感しているのが民間の身の軽さだ。政府が本案件を扱ったら、まずなぜミクロネシアなのかで数年の協議を要するところを、数ヶ月で進めた。

蜻蛉号レベルの船、イヤ日本には離島災害支援にうってつけの自衛隊が所有するUS2なるものがある。勿論今回活躍の機会はなかった。

確か中谷防衛相がバヌアツに調査隊を派遣したはずだが結果はどうなったのであろう?

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ニュージーランドからも1隻豪華ヨットが救援にかけつけた、というニュースがあった。