やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

Melanesian Way

米国が支援する、ソロモン諸島、マライタ島の林業、農業開発

https://www.solomonstarnews.com/index.php/news/national/item/25057-dr-morgan-in-auki-to-set-up-winrock-office www.solomonstarnews.com 2019年9月、ペンス副大統領の面子を思いっきり潰す形で、ソロモン諸島が、独立以来の台湾支持から突然中国支持に…

マクロン大統領、ナポレオン三世の帝国主義を覆す?

2018年の最初の住民投票の前にニューァレドニアを訪ねたマクロン大統領。1988年先住民独立過激派とフランス人警官に19名の死者出した惨劇のあったウベア島を訪ね和解に一歩を示しただけではありません。 気になっていて、調べていなかった件を少しウェッブ検…

ニューカレドニア、フランスに留まる。

10月4日に開催されたニューカレドニアの独立を問う2回目の住民投票。2018年の投票結果よりも小差で独立反対が多数となった。 私は、正直ホッとした。太平洋島嶼国の現状、特に中国との関係を一気に強化し始めた2000年頃以降、私は、その影響が麻薬、売春、…

バヌアツ政府中国犯罪者300人に市民権を与える??

今年3月の選挙で政権を得たバヌアク党のLoughmanが3年間の特別なビザの発給を発表。対象は “nomads, stateless people and people in difficulty” (遊牧民・無国籍者・難民) 国際的犯罪者も取得可能だ。しかも一人USD$80,000で、経済的難民がその市民権を…

英国に植民される事を選んだフィジー

(このブログを書こうと思ってウェブサーチしていたら見つけたフィジーの戦士。カイコロ。どこかで見たお顔だな〜、と1日思い悩んで気がついたのが・・・) コロナ禍で毎年6月頃、シンガポールで開催しているIISS主催のシャングリラダイアローグも中止。その…

バヌアツの統一戦線

バヌアツは中国がしっかりと狙っており、Vanuatu-China Friendship Association始め多くの友好協会、すなわち統一戦線が存在する。 香港に関連し反対のコメントが出た途端、それを否定するコメントが。米国のような大国ですら中国に丸め込まれるのだ。こんな…

在フィジー日本大使館ツイッター事件(進行中につき今ントコ記録だけ)

2020年6月12日は記念すべき日である。 来年の島サミットに向け提出した提言書に太平洋島嶼国の各日本大使館はSNSを義務づけよ!と書いた手前パラオの日本大使館に続き他も支援することとした。 ips.hatenablog.jp フィジーでは防衛省から出向しているキャプ…

何もしていないバヌアツの日本大使館

www.nytimes.com バヌアツの首相選びがニューヨークタイムスの記事になること事態がニュースだ。それだけ太平洋島嶼国の事が米国では重要になってきたと言う事であろう。 コロナと大型サイクロン真っ最中の首相選出。とにかくこれで災害対応は進むであろう、…

チャールズ皇太子とソロモン諸島国家海洋政策

Prince Charles launches Ocean Policy - Solomon Star News チャールズ皇太子のソロモン諸島訪問。その目的にはソロモン諸島国家海洋政策設置式典の参加とマラリア対策があった。チャールズ皇太子は式典に参加したというだけで詳細は見つからない。私はチャ…

ソロモン諸島台湾断交 ー マライタ州姿勢鮮明に、チャールズ皇太子の影響は? (2019.10.29-11.24)

9月16日に衝撃的に台湾断交に踏み切ったソロモン諸島。あれから2月。動きは以前より緩慢になったが、マライア州の動きが鮮明になってきた。英国チャールズ皇太子訪問が何を意味するのか。(何も意味しないような気もするが) 今までFBに上げてきたニュース…

太平洋島嶼国バヌアツの中国化 ー 剥奪される正義と報道の自由

太平洋島嶼国の中国化、言論統制は港湾支援を装って軍事基地化する動きよりも、ある意味恐ろしい。 中国人に4千冊の旅券を販売するバヌアツ。その収入は国家予算の3分の1を占めている。この仕組みは同国の法秩序も崩壊させ、報道の自由を圧迫する結果に。…

ソロモン諸島の動きーブログリスト 12.05 updated

2019年9月16日のソロモン諸島台湾断交から動きを追っている。さっきブログをみたら結構書いていたので自分でもびっくり。 リストを作っておきたい。 まずはソロモン諸島の基本をどうぞ! <断交後> yashinominews.hatenablog.com <断交前の動きも多…

ソロモン諸島台湾断交 チャールズ皇太子動く (2019.10.29-11.2)

9月16日、突然のソロモン諸島台湾断交から早くも2月近くが経った。同じく台湾断交に踏み切ったキリバスの方も豪州メディアを追い出す等動きがあるが、ソロモン諸島はインド太平洋研究会での内藤先生の講演会もあったので引き続きフォローしている。 一番…

ソロモン諸島台湾断交 法律が守ったツラギ島

中国企業がソロモン諸島の中央部州政府と島ごと長期リース契約を結んだ件で、かなりニュースになっていたが、同国の法務長官が違法な契約ですぐに終了しなければならない、と首相官邸を通じて、同州に通告。法律万歳! TULAGI LEASE ILLEGAL - Solomon Star …

ソロモン諸島台湾断交、いよいよ一帯一路に署名 (2019.10.2-10.12)

台湾断交を決断したソロモン諸島。そのプロセスは決して公正であったとは言い切れず、ソロモン諸島の各地域で、様々な動きが毎日のようにニュースで流れてくる。 FBの方でピックアップしていたニュースをブログにも記録しておきたい。 最近のニュースからで…

ソロモン諸島台湾断交、転覆なるか? (2019.10.1)

9月16日、ソロモン諸島台湾断交してから2週間が経つ。 先日インド太平洋研究会では郵便学者内藤陽介先生をお招きし「ガダルカナル島の近現代史」を開催。日本のソロモン諸島理解に大きな一歩を示すことができた、と思う。 そこで、私も力を入れソロモン諸島…

ソロモン諸島台湾断交をめぐる「法と力」

ソロモン諸島台湾断交を決定したソガバレ首相からその正式な理由が断交決定後3日目の9月20日に発表された。これは国際法の観点から非常に興味深い。奥が深い。中国人の国際法研究者が背後にいることが手に取るようにわかる。彼らは国際法は利用するものであ…

ソロモン諸島台湾断交後5日目 9月20日

台湾断交をしたソロモン諸島。Solomon Starという地元紙からいくつかピックアップします。 Govt hails US commitment for help - Solomon Star News 20 September 2019 今回の断交で機嫌を損ねた米国に対し、ソロモン諸島政府は、両国は第二次世界大戦で共に…

井上和彦氏の太平洋島嶼国に関する事実誤認

【DHC】2019/9/18(水) 井上和彦×藤井厳喜×居島一平【虎ノ門ニュース】 - YouTube 私は井上さんが太平洋島嶼国のことをメディアを通して広く知らしめていただいていることをディスカレッジするつもりは毛頭ないし、その活動を尊敬し、応援したい、という立場…

ソロモン諸島台湾断交後3日目

ソロモン諸島が9月16日に台湾断交してから2日が経ちました。 色々とニュースが出てきます。 Taipei closes embassy here - Solomon Star News 在ソロモン諸島台湾大使は決定された24時間内にソロモン諸島を飛び立った。 "more than 80 percent of this c…

ソロモン諸島台湾断交翌日の声

TAIWAN TIES OFF - Solomon Star News 台湾断交が決定した翌日の現地新聞、ソロモンスターの記事。 以下主な内容。 2019年9月16日、ソロモン諸島は36年の台湾との外交関係を断交した。 その決断は台湾の副外相Dr Sze-chien Hsu がホニアラの空港に降り立っ…

<緊急提言>ソロモン諸島の中国対応策ー日米豪英で対抗せよ!

ソロモン諸島が台湾との断交を決定してしまいました。落ち込んでいてもしょうがありません。対策を提案します。 ソロモン諸島、中国から500億円の援助と共に台湾と断交。国連総会でペンス副大統領が同国首相と会談の予定だが、中国は全てお見通しで前倒し…

ソロモン諸島を巡る中台の情報戦!日本は無関心でいいのか?

いよいよソロモン諸島が台湾から中国に鞍替えしそうで、まさに今、情報戦が交わされている。日本は全く関心がない!誰も話題にしていない!それでよくまあ台湾を支援なんて言えますね。 と文句を言っていてもしょうがない。一人でも粛々と情報を収集し発信し…

有本香さんから反論いただきました!

これは嬉しい反論なのです。 まさか私のブログが百田さんに読まれることはないであろう、と下記のブログを書いた。ところが『日本国記』を編集されたジャーナリストの有本香さんから反論をいただいた。 百田さんは併合は植民ではない、とは言っていらっしゃ…

ソロモン諸島は日本の一大水産基地であった。

ロイターがニュースを出して結構話題になっているが、あまりにも現状認識が酷すぎるので一筆。 reut.rs ソロモン諸島がいよいよ台湾から中国へ外交関係を変更とのニュース。まだ決定ではありません。9月8日からソロモン諸島外相が台湾を訪ねています。 ソロ…

歯欠け駒の一帯一路 マカオ〜香港〜カンボジア〜パラオ〜バヌアツ

マカオ・香港のギャング歯欠け駒(14Kの親分)が、パラオに入りレメンゲサウ大統領とカジノか何かのビジネスを始めようとしたことは今年地元のメディアで取り上げられていた。香港のデモを解説した郵便学者内藤陽介先生のおかげでこの歯欠け駒さんが何者であ…

西パプア暴動<追記あり>

www.youtube.com こんなことで西パプアが日本で有名になってしまった。 しかし、今までのように何も知られないよりはましだ。暴動、虐殺、拷問は常にあった。今回の暴動は規模が大きいのか?ニュースになって世界に流れていることが西パプアを20年以上追って…

日本ーバヌアツー中国を結ぶ仮想通貨犯罪(8)最終回 ー債務の罠か歳入の罠か

バヌアツで起こった中国人による仮想通貨犯罪。たまたまこの事件があった時にバヌアツに滞在していた。そして日本に戻ってから浅野亮教授からご関心を持っていただいた事をきっかけにまとめてみようと思った。 何より資料を読んで行く中で、旧知の現地ジャー…

日本ーバヌアツー中国を結ぶ仮想通貨犯罪(7)日本バヌアツ関係

今回「仮想通貨犯罪」しかも中国人による犯罪でバヌアツと日本が結びついてしまった。Plustoken という投資商品は世界中を相手にしていたようだが、日本も大きなお客さんだったのであろう。利子が10%とか書いてある。 バヌアツと日本の関係を少し整理して…

日本ーバヌアツー中国を結ぶ仮想通貨犯罪(5)『金融ダークサイド』猫組長著

南の楽園、太平洋島嶼国は実は犯罪の楽園、しかも世界第1級の越境犯罪の楽園、であることはこのブログを読んでいただいている方にはわかっていただけたと思う。 私はかなり早くから、つまり数十年前から島を歩き回っている中で肌で感じてきた。まさか、とい…