長尾龍一著『アメリカ知識人と極東 ラティモアとその時代』を大急ぎで読み終えた。
鳥井参与に推薦いただいた、御厨貴先生の後藤新平の本が待っているからだ。
同書前半で、日本人女性石垣綾子の印象が、自分の祖母に重なり、ショックだったので先に感想を書いたが、後半はラティモアとグルーの対比が印象に残った。
そして、共産主義でも、スパイでもなかったかもしれない、それでも反日に、戦争に大きな影響を与えたラティモアの存在が、なぜか、SSのポール•ワトソンに重なった。
あれだけの日本嫌いを、日本は作ってしまうのだ。
「我々にとって日本人ほど憎むべき敵はいない。(We have never hated an enemy as we hate the Japanese.) 」(同書131頁、ラティモアの「アジアにおける解決」(1945)にある文)
しかも、ワトソンも、ラティモアも多くの支援者、人気を得ている。
長尾龍一氏は、1982年から2年間の米国滞在時にこのテーマを古本屋で偶然発見し、「アマチュアの付け焼き刃」でご自身の専門である法哲学をそっちのけにして、ラティモアを追いかけた、と後書きに書いている。
当然ながら、太平洋問題調査研究会(米国の対日政策を左右した)を、日本の運命を握ったラティモアを、日本で広く議論されているはず?とウェッブサーフィンしても学術レベルとなると長尾氏の論文しか見つからない。またwikiも、英文はさすがに量も内容も更新されていて読み応えがあるが、日本語は貧弱の一言。
新渡戸、矢内原が関わった、太平洋問題調査研究会。
ラティモアと新渡戸、矢内原はどこかで接触があったのであろうか?
<追記>
このラティモアに愛された日本人女性、学者がいた。磯野富士子氏。モンゴル研究者、らしい。。
日本女性、オソルベシ。。