育児と安全保障
もう10年ほど前の話である。
たまたま手に取った同省の機関誌に「子育てを経験しない人に安全保障はわからない。」という学者さんの発言があって、随分差別的な発言だな、と反感をもった。
しかし、実際に子育てをすると、身の回りの危険に非常に敏感になるのである。
子供がいない時は気にもしていなかったが、我々は犯罪者と同じコミュニティで生活している。それは刑が終わった犯罪者、捕まっていない犯罪者、潜在的犯罪者も含む。
過剰防衛もよくないが、無防備なのもよくない。ここら辺の塩梅が難しい。
お母さん友達でさえも、安心はできない。何かの事情でノイローゼ気味かもしれない。いつ公園のトイレでクビを絞めて殺されるかもわからない。
これを避けるには、日頃のコミュニケーションが大切だ。即ち近隣諸国との友好条約の確保と維持に努める必用がある。抑止力を示す必用もある。
例えば、子供を預けたり預かったりすることで信頼関係が生まれる。
「子育てを経験しない人に安全保障はわからない。」
誰だったのだろう?あの学者さんは。
あの雑誌は直ぐに捨ててしまったのだが、今はその意味がよくわかる。