ここに越した年に、キッチンの窓からの景色にしだれ桜が合うと思い、生まれて初めて桜の植樹を行った。
桜は神が降りて、その年の豊作を占う木である。
しかし、植えてから数年はあまり元気がなく、花も少ししか咲かない。
枝の下の方から新しい枝が生えて来たので、何回も切ったのだが、またすぐ生える。
きっと新らしい枝を伸ばす理由がこの桜にあるのだろうと、思いそのままにしておいた。
新しい枝はぐんぐん伸びて、あっという間に元の幹より太く、高く伸びてしまった。
先ほど庭に出たら、この幹から伸びた小枝に小さな木の芽が山ほど芽吹いていた。
花なのか、葉なのか。
問題は、しだれ桜のハズなのだが、新しい幹は全て天に向かって勢いよく伸びており、全く枝垂れる様子がない事である。
何はともあれ春が待ち遠しい。