やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

PACOM

PACOM - ペイコム と読む。最初聞いた時は何かのオンライン決済かと思った。

さて、いよいよPACOMにも乗り込む事になった。

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世界最強の米国軍には統合軍(Unified Combatant Command: UCC)というのがあり、現在世界に下記の6つが展開している。その一つがPACOM - Pacific Commandである。

アメリカ北方軍(USNORTHCOM)- 北米担当

アメリカ中央軍(USCENTCOM)- 中東担当

アメリカアフリカ軍(USAFRICOM)- アフリカ担当

アメリカ欧州軍(USEUCOM)- 欧州担当

アメリカ太平洋軍(USPACOM)- アジア・太平洋地域担当

アメリ南方軍(USSOUTHCOM)- 中南米担当

PACOMはハワイのキャンプスミスにある。創立年は一番古く1947年1月1日だ。同年3月15日にEUCOMがドイツに設置されている。(wikipediaより)

上記の6つの地域別統合群の他に下記の3つの機能別統合群もある。

アメリカ特殊作戦軍(USSOCOM)- 特殊作戦担当

アメリカ戦略軍(USSTRATCOM)- 核兵器と宇宙軍を統括

アメリカ輸送軍(USTRANSCOM)- 戦略輸送を担当

クリントン長官の太平洋の世紀、パネッタ長官の太平洋シフトのステイトメントの以前より、PACOMの増強、拡大は展開していた。

このPACOMも巨大な組織なようだ。今回の面談者は9つある組織の9番面、Pacific Outreachに所属する。PACOM自身もまだどれだけ拡大するのか、見えない部分が多いらしい。

J0 Special Staff

J1 Manpower and Personnel

J2 Intelligence

J3 Operations

J4 Logistics

J5 Strategic Planning & Policy

J6 Communications Systems

J7 Training & Exercises

J8 Resources & Assessment

J9 Pacific Outreach

ハワイには米国連邦政府の主要な機関が2つある。このPACOMとハワイ大学内にある東西センターである。オバマ大統領とクリントン長官のハワイ訪問には必ずこの2つの組織が入っている。

 

ハワイ大学内にある東西センターは毎回訪ねており今回も訪ねた。ハワイ大学の研究所、と誤解している人が多いようだが国務省が管轄している。クリントン長官の太平洋政策の拠点である。そしてケネディの、冷戦の遺産でもある。

クリントン長官の指名で新たな理事が指名され、5名のうち2名が太平洋島嶼国専門家となった。冷戦終結後、同センター内での島嶼部門は冷遇されてきた。大きな変化である。

PACOMに乗り込む前に、実は2年前キャンプスミスにに拉致された経験がある。今度はこの事を書きたい。