やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

太平洋通勤族

10年ほど前からニュージーランドに拠点を移し、太平洋を南北に横断して日本通いが続いている。片道11時間のロングホールだ。

日本を拠点にミクロネシアにも足を延ばす。

こんな長距離通勤をしている人が他にもいた。福武總一郎氏。ベネッセの会長さん。

知り合いでも、お友達でも、お会いした事もない。

昨年末、地元の新聞にReiko Fukutakeなる人物が当方の通う大学に“ハーフミリオン”(だいたい4千万円)を寄付した、との記事が掲載された。

Reiko Fukutake?日本人の名前である。そんな奇特な人物は一体何者であろう?

こういう時グーグルは便利。

福武書房、ベネッセのFukutakeさんのようだった。しかも福武總一郎氏は2006年に家族でニュージーランドに移住したと自ら語っている。そしてニュージーランドから日本に通っているのだそうだ。

なんだ、同じ太平洋通勤族ではないか。

なんでまたニュージーランドに? 福武書房の経営者はかなりのお金持ちらしい。

で、ここからは下衆の勘ぐり。

ニュージーランド相続税がない!貧乏人に悩みがあるように、お金持ちにはお金持ちの悩みがある。しかもニュージーランドの銀行の金利は4−5%。10億円もあれば年間4—5千万円の利子。羨ましい。

ベネッセの「しまじろう」は娘のために毎月4—5千円払って2年ほど購入していたので福武ファミリーの悩みに当方も貢献しているかもしれないと思うと、なんとなく、悔しい。

お金と幸せは比例するものではないし、と自分に言い聞かせても、何故か、空しい。

下衆の勘ぐりは時間の無駄だし none of my business

人生、収入やポジションではない。「何をしたか」である。

福武總一郎氏は、直島という瀬戸内海の島の開発でも有名なようだ。

公害で悩んでいた島が芸術の島に生まれ変わった。

同じ太平洋通勤族。太平洋上空でお会いする機会はあるだろうか。