やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ソマレ閣下からの電話

昨日、パプアニューギニアの国父、ソマレ閣下から電話をいただいた。

ちょうど夕刻時であったため、お鍋をこがし、何をどうしていいかわからずのパニック状態になってしまった。電話の取り継ぎという端役だが光栄な事件であった。

ソマレ閣下が今すぐ笹川陽平会長と話したい、という事で、早速日本財団秘書室につなげさせていただいた。

日本人が知らなくとも、もしくは知っていて無視しようとも、45年前のソマレ青年を支援した、そしてパプアニューギニア独立を支援した笹川良一氏の功績はソマレ閣下自身が忘れていない。

用件は、安倍総理PNG訪問である。まだオフレコと思いきやパプアニューギニア首相府が発表しているので、ここにも書いてよいであろう。

安倍総理パプアニューギニア訪問は7月10−12日を予定しており、その間ソマレ閣下の出身地であり、笹川良一氏が慰霊に訪ねた、パプアニューギニア北部のウェワックも訪ねる事が検討されている。

ウェワックは第二次世界大戦で多くの犠牲者を出した場所である。

ソマレ閣下からの電話は、もちろんその事に関連している。

<デジタル・ディバイド>

地球最後の秘境、900の言語を有し、山岳地帯、マラリア待ち伏せパプアニューギニアデジタルディバイドなんか、奇跡がなければ解決しないであろう、と思っていた。

しかし、その奇跡はあっという間に起きたのである。デジセルという携帯電話会社がモノポリーを打ち壊し、パプアニューギニアの津々浦々まで携帯電話でカバー。しかも料金もグッとお安くなったのです。

昨日の電話はそのパプアニューギニアのウェワックからであった。音声も明瞭だった。遅延も全くなかった。

デジタル・ディバイドは解消されても、やはりそこには、45年前、パプアニューギニア独立へ向けた選挙運動を世界でただ一人支援した笹川良一名誉会長の絆がなければ、ソマレ閣下から電話をいただくなどという事は有り得ないであろう。

パプアニューギニア親日国として天然ガスの開発に、すなわち日本のエネルギ安全保障に積極的であった事と無関係ではない。

安倍総理パプアニューギニア、そしてウェワック訪問を笹川良一名誉会長が一番喜んでいるであろう。