『日本が二度と立ち上がれないようにアメリカが占領期に行ったこと』
こんなのは始めて知った。日本人の特殊性。日本人が好きな日本人論の原点はこの
「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」にあるのではないか。
しかもこのプログラム。目がくらむようないい加減な文化人類学者の説を土台にしている。
でもこれを読んでいて笑えなかった。数年前、日本の幼児教育を学んだニュージーランドの学者の発表を見る機会があった。日本の幼稚園の先生が、幼児を並ばせてホースで水をかけている写真の分析だった。見ようによっては虐待? でも真夏の事で悪意のない水浴び、のようにも見える。
とにかくこんな題材が某かの偏見に繋がるのではないか、と危惧した事だけは覚えている。
さて、同書を読んで一番心に残ったのが中国人による2011年の震災に見た日本の評価である。
米国在住の中国人作家・張朗朗氏
「明治維新後の日本人は西洋化の過程の中でも、東洋の精神を放棄しなかった。日本人が有している教養は、文化のジャンルから見ると、彼らの着物や剣道と同様、漢や唐の時代の中国から伝承されてきた儒教精神の表れだと思う。これは日本人が有する特別な国民性というより、中国古代の義の精神と伝統的儒教思想、更に老子や荘子の思想も取り入れて、高いレベルの情操に発展させたものである」
「中共の言う『新中国』が設立されて以来、特に10年にわたって続いた文化大革命の嵐の中で、中国人の道徳や、社会の基盤となる責任感が破壊され尽くした。その後に続いた改革開放経済の時代には、資本主義の諸段階のような弱肉強食の精神が広がってしまった。もしここで政治改革をしなければ、たとえ今の中国経済が一部の国民に裕福な生活を与えられたとしても、国民は高いレベルの精神状態に達せないだろう」
「日本国民は、まさしく中国2千年の儒教思想を受け継いでいる。遣隋使が中国から儒教文化を日本に持ち帰った後、聖徳太子は十七条憲法を発表した。その憲法の第一条に『和を以って貴しと為し、忤(さか)ふること無きを宗と為す』とある。これはまさに孔子の『論語』の内容に合致している」
「日本人をこれほど素晴らしい民族に教化した儒教思想は、現代の中国では見られない」
(上記 「菊と刀の国よ、再び」 日本の復興を見つめる中国人 から引用http://www.epochtimes.jp/jp/2011/04/html/d76889.html )
ここ数年老荘思想を中心に中国の思想を学んでいる。この事を中国人の友人に話すと流石に老子、荘子、孫子の名前は知っているが中身は全く知らないようなのである。だから議論に発展しない。たまたまそういう中国人に会ってしまったのかもしれない。
そしてこんな数千年前の中国思想に現在の西洋学問の解が、スラッとあったりするのだ。