やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

トンガからの朗報

http://www.fikco.com/

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せっかく飛行機の問題も解決されたようですので、みなさんトンガへ、ババウへ行きましょう。

ババウ、本当は誰にも教えたくない場所なんですが。。

よいニュースはメディアは取り上げない。

トンガからの朗報である。

昨年、国際基準に外れた、故障・事故の多い中国製の飛行機MA-60をトンガが無償供与で入手した事は日本のニュースにもなっていた。

札つき「危ない中国製航空機」に追い詰められる「トンガ王国」 

2013.8.19 07:00

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130819/waf13081907010001-n1.htm

一昨日、トンガはこの小型旅客機を廃止し、新たな飛行機を購入した事を発表したのでである。

New aircraft for Tonga's national airline could ease NZ safety concerns, boost tourism

Tue 10 Jun 2014 Australia Network News

http://www.abc.net.au/news/2014-06-10/tonga-plane/5512420

政府の航空会社 Real TongaはオーストラリアからJetstream二機を購入。一機は早速来週到着する。

このトンガが中国製飛行機を使用する事になってから、懸念を示し、アドバイスをしたニュージーランド政府は観光業促進に対する援助金を保留、旅行者への渡航注意を公式に発表していた。

<ババウの観光>

太平洋は広くて狭い。たまたま娘の友達のご両親がトンガのババウで観光業を営んでおり、先週話をしたばかりである。7−8月は書き入れ時らしいが今年は予約が2つしかない。ビジネスを手放そうと思う、という深刻な話であった。

中国の飛行機が入ってから、経営者である本人も首都トンガタプからババウへの移動は危険を感じており、旅行者の問い合わせに対して、決して「大丈夫」とは言えないし、ビジネス倫理上も販売促進をする気がおこならない、というような話であった。

今回のニュース。トンガ、ババウの観光業壊滅、が目前の朗報である。ババウは首都から一番離れた離島だ。

<世銀のレポート>

トンガ政府が中国製の飛行機を導入を決意をするまでの経緯がわからないが、世銀がこの状況を放っていなかった。先月MA60の問題を指摘した世銀の報告書がトンガ政府に提出された。この報告書は今月中旬に公表されるらしい。しかし、ニュースによると世銀の報告書は明からにMA60の問題を指摘した内容であるようだ。

トンガ王国は日本にとって特別>

トンガ王国は太平洋の中でも日本にとって特別な国である。

西洋の植民地支配を形式上逃れた唯一の島である。1875年、日本より先に憲法を制定している。

そしてトンガとの関係を強化してきたのは名誉領事を務めた笹川良一氏である。

さらに日本の皇室とトンガ王室は非常に近い。

先の国王ツポウ5世が民主化を進めたのは日本の皇室をお手本としたかったからである。

(詳しくはこちらを ジョージ・ツポウ5世(2) – 日本の皇室が支えたトンガの民主化

トンガに日本大使館が設置されたのも日本の皇太子がトンガ訪問中に「トンガに日本大使館ないの?」と言われたからである、とこれは噂で聞いている。

せっかく飛行機の問題も解決されたようですので、みなさんトンガへ、ババウへ行きましょう。

ババウ、本当は誰にも教えたくない場所なんですが。。