やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

小林秀雄ー本居宣長と桜

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敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花
2年前に植えた桜の木、ソメイヨシノが、今年も満開になった(上の写真)。いったいいつまでこの木の成長を見る事ができるのであろう? 桜と言えば、ソメイヨシノの思っていたが、『小林秀雄 学生との対話』を読んでそうじゃない事を初めて知ってショックだった。 日本の桜とは本居宣長が詠んだように山桜を指すそうである。 山桜、いったいどのような桜なのだろうか?開花と共に茶色の葉っぱがでてきて、花もソメイヨシノより野趣がある感じ。近くのボタニカルガーデンに似た桜があり、これが本居宣長が自分の墓の近くに植えて欲しいと言った桜かと思うと特別に見えてくる。 小林秀雄氏曰く、ソメイヨシノは桜の中でも一番低級な花なのだそうだ。がく〜(落胆した顔) と言われても、生まれたときからソメイヨシノで遊んで、ソメイヨシノで入学して、ソメイヨシノでお花見をしてきた自分には、やっぱり桜はソメイヨシノ坂口安吾『桜の森の満開の下』黒沢明の『羅生門』(ストーリーは芥川龍之介の『藪の中』)も今まではソメイヨシノと想像していたが、山桜なんだろうな。そうすると花ばかりのソメイヨシノではなくて、小さな葉っぱがある山桜が舞台装置になると、その物語のイメージも大分違ってきてしまう。