やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

パラオ台湾トップ会談は漁業問題か?

前のブログで蔡英文台湾新総統就任式にパラオとのトップ会談はあったが、マーシャルはなかった様子である事を報告した。

多分海洋安全保障や中国と関係を強化するパラオへの特別な関心ではないか、と書いた。

トップ会談の内容がニュースに出た。

「蔡総統ー台湾とパラオは海洋保護でパートナーとなれる」

Taiwan and Palau could partner on marine conservation: Tsai

2016/05/21

http://focustaiwan.tw/news/aipl/201605210014.aspx#.V0FKMT6OZEY.facebook

就任式翌日の21日の会談では、蔡総統はパラオと台湾の2カ国が共に海洋保護活動を行う事ができる。また蔡総統はレメンゲサウ大統領がミクロネシアで持続可能な開発を進めている事を高く評価。

レメンゲサウ大統領が進める Micronesian Center for a Sustainable Future と Palau National Marine Sanctuaryから台湾が学べる事がある。

蔡総統は、飛行機で4時間ばかりの両国が交換できるものがさらにあると述べた。

レメンゲサウ大統領が進める海洋保護区案は、全面商業漁業禁止である。これで困るのは沖縄の漁業者だけでなく、台湾の漁業者も同じであるはずだ。台湾政府としてはこの案を全面的に支援できるものではないはず。

それではどのように海洋保護を協力するのか?

海洋監視であれば日本財団笹川平和財団が2008年から進めている海上保安支援事業と重なってくる。中国とは経済的関係はあっても外交関係のないパラオ。台湾政府が海洋監視船をパラオ海域に派遣する可能性はあるし、そうであれば喜んで受けるであろう。

シーシェパードの支援さえ歓迎したのである。

そして日本は水産庁取締船派遣を外務省が潰したのだから、(まだ完全に潰れていないようですが。)蔡総統に期待するしかない?