やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

写真で分析する台湾総統就任式と太平洋島嶼国

5月20日に開催された、蔡英文台湾新総統就任式。 太平洋島嶼国からは外交関係のある6カ国が招待されている。 その中の2つ。パラオとマーシャル諸島共和国の大統領府FBに早速写真が掲載された。 マーシャル諸島は、ヒルダ大統領が台湾のBruce Linghu副外相と会っている写真のみ。

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他方パラオ政府代表団は蔡英文総統との表敬が行われている。

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この違いはなんであろう? もし、マーシャル諸島が蔡総統に会っていれば写真はすぐに掲載されるはずだ。公式には会っていない可能性がある。 台湾がマーシャル諸島を軽視している、というワケではない、と当方は分析する。 広大なミクロネシア海域の東に位置するマーシャル諸島はその後ろにハワイが、PACOMが控えているし、米軍のミサイル基地もある。中国の進出が気になるのはパラオの方、という判断がされたのではなかろうか? 台湾のパラオへの支援は強化されるであろう。 その際、現在の怪しい投資か、観光かわからない中国本土のパラオへの関与は影響を受けるのではないだろうか? 気になるは民進党の前陳水扁総統と現パラオ大統領の蜜月時代(約8年!)のマネーロンダリングスキャンダルである。

”陳水扁前総統 パラオでの資金洗浄容疑、不起訴処分に/台湾” フォーカス台湾  2014/08/07 http://japan.cna.com.tw/news/apol/201408070006.aspx

何はともあれ、台湾原住民オーストロネシア語族を重視する蔡政権の対太平洋島嶼国政策(同じオーストロネシア語族)を注視したい。