5月15日、葵祭を初めて見た。
かんざしに葵があるのか、あれば本物か造花か確かめたかったからである。
本物であった。
御所を出立し、下鴨神社にお昼、午後3時過ぎに上賀茂神社という行程である。
5月でも夏のような日差しだったので、昼間は家に戻って、最初と最後だけ拝見。
御所では元気だった葵も上賀茂神社に到着した時はさすがに萎れていた。
葵祭は雷、地震の厄よけらしい。
桜井満氏の『花の民族学』によれば
「これを「葵祭」と呼ぶのは、祭員の挿頭花に葵を用い、祭具や家々の軒にも葵をかけたからであるが、これは御祭神である別雷(わけいかずち)の神が出現された御形(みあれ)山に二葉の葵が生じたので用いたと伝え、雷と地震の厄よけになるという。(中略)葵を依代にして出現した神の祭りに、葵をかざしにして物忌みのしるしとしたのであるから、葵が賀茂祭の象徴なのだ。」
神の依代として葵を使って物忌み。陰陽道の世界だ。
自然に物怪を感じ、その動きに敏感な社会。
レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』を思い出した。もう一度読みたい。
京都ー太平洋ー海洋が一機に繋がった。