やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ムッシュー モス Monsieur Moth

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ソマレ閣下がエリザベス女王から勲章をいただいているところ。愚夫は女王の代理人(総督)からもらうらしい。
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愚夫は一時、友人達から”ムッシュー モス”と呼ばれていた。 ”マダム バタフライ”をもじったものである。 ”マダム バタフライ”は赤子と共に長崎に置き去りにされる。 愚夫こと ”ムッシュー モス” は赤子と共にしばしば当方の出張で置き去りにされていた。 夫と赤子を置いて妻が海外出張に出かけるというのは、女性進出が目覚ましい欧米でも奇異に写ったに違いない。 愚夫は一人で娘の面倒を見る事を楽しみにしていた様子である。やっぱり母親と父親がいっしょにいれば、子供は、赤ん坊は母親の方へ来るのだ。父親しかいなければ、選択肢はない。 愚夫が「お乳があげられないのが悲しい。」と一度口走っていた事が忘れられない。 さて、マダムバタフライは自害したが、ムッシューモスは無位無官の当方を差し置いてぐんぐん出世している様子である。研究費も毎年獲得している。なぜこんなつまらない研究に公費を出すのか各国政府、財団等々の気が知れない。 この世の中は理不尽である。この度愚夫がパプアニューギニア政府から勲章をいただく事になった。 この世の中は理不尽である。今に生きる人々の漁業資源、安全保障や教育に尽力している当方は無位無官のままなのに、数千年、数万年前の人類の歴史という、今生きる人々には到底利害関係のない愚夫の、しかも趣味と見える研究活動に勲章が与えられるなんて。 しかも、パプアニューギニアの君主はいまだに”大英帝国”のエリザベス女王なので、勲章は女王からもらうのだ。先の大戦で日本が勝っていれば、勲章は天皇陛下から授与されたはずである。 しかも、パプアニューギニアをオーストラリアの植民地支配から解き放ち、独立支援したのは故笹川良一会長である。 なんか納得できない話である。