やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

国連海洋会議(1)森国際協力局審議官のスピーチ

6月5−9日に開催された国連海洋会議。正式には「持続可能な開発目標(SDG)14実施支援国連会議」についてまとめたい。

まずは下記の外務省のウェッブが簡潔のまとめているので、それを見て行く。

持続可能な開発目標(SDG)14実施支援国連会議

平成29年6月15日

http://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ge/page25_000851.html

持続可能な開発目標(SDG)14実施支援国連会議

森国際協力局審議官スピーチ

http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000264781.pdf

成果としては下記の3点を上げている。中でも2番目の“Call for Action“が重要であろう。これは明日内容を確認したい。

1.パートナーシップダイアログの主要7議題

(ア 海洋汚染対策,イ 海洋・沿岸の生態系の管理,ウ 海洋酸性化対策,エ 持続可能な漁業に向けた取組,オ SIDS等の漁業資源及び市場へのアクセス向上,カ 科学技術の開発・技術移転,キ 国連海洋法条約(UNCLOS)

2.SDG14の実施促進に向けた具体的な行動を列挙した成果文書“Call for Action“

3.各国等による合計1300以上の自主的取組(Voluntary Commitment)

それから日本政府の具体的支援、即ち森国際協力局審議官スピーチである。

ー 小さい記述だが日本は「信託基金に4.4万ドル」拠出したとある。この信託基金は誰が運用、出資し、現在いくら位の基金があるのか?この資金で小島嶼国の代表がこのような国際会議に参加できるのである。

ー 安倍晋三総理大臣がSDGs推進本部の本部長であった。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/

ー 日本政府の支援は次の4点の他に来年の島サミットで海洋が議論されることを「期待」と述べている。「海洋ごみ」,「海洋酸性化」,「持続可能な漁業」「SIDS諸国への支援」

「期待」とはどういう意味なのか?

議案を決めるのは議長なので島サミットは共同義藤の日本の総理とPIF議長になる。今年のフォーラム開催国がサモアなので、来年の島サミット議長はサモアのはず。

ところで森国際協力局審議官のスピーチは島嶼議連の勉強会の結果を反映した内容なのであろうか?ここは「期待」なんて言ってないで日本に主導して欲しい。