やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

国交省のセクハラ・パワハラ・海洋音痴

笹川平和財団国交省(旧運輸省)の微妙な関係はよく知らないのだが、笹川会長からいただいた本と曽野綾子日本財団会長の文章に、日本財団が人事介入する運輸省を訴えたことが書かれてあり、驚いた。

笹川会長も曾野元会長もたくさん文章を書いていらっしゃりどこで書かれていたか覚えていないが、とにかく公開情報なのだ。

追記:ありました。「私が運輸省を提訴した理由 」VOICE PHP研究社 1997/04 http://nippon.zaidan.info/kinenkan/moyo/0000777/moyo_item.html

その国交省のおじさん、お兄さん達と仕事をすると機会があった。

ミクロネシア海上保安事業が2008年に開始したが、笹川平和財団自体は海洋問題を今まで扱ってこなかったし、事業の先頭に立った羽生次郎前会長が元国交相審議官でもあり、次から次へと国交省の方がこの事業に関わることとなった。

すごいのがこのおじさんたちのパワハラ、セクハラである。

過去30年、外務省・水産庁総務省内閣府、と多くの省庁の方と接したことがあるがこんな対応を受けたことはない。

「民間団体は黙っていろ。女は黙っていろ。」

エ?この事業立ち上げたの私ですが?

一人だけ名前をあげると、大使経験もある鷲頭さんという方から出張先のパラオ

「日本人女性が外国人と口を聞くのは許さん!」

と怒鳴られたことがある。

さすがに周りにいた国交省、海保のお兄さんたちも呆れていたが、これは性差別と人種差別である。

さらに当方は業務で出張しており、業務妨害でもある。

同じく国交省出身の寺島さんにご報告したが

「鷲頭君はそんな事を言うのか。」

との一言で何の改善もないのだ。

それだけではない。

国交省といえば海洋問題のエキスパート、と思いきや誰もパラオのメガ海洋保護区の問題を指摘しないどころか「小国の決定を支援するは良いことです。」と目を輝かせてしまうのだ。

某太平洋島嶼国の米国大使と当方が会談した時

「やっと、政策を話すことができたわ。財団の男性陣は船のサイズと機能しか議論できないのよ。」

と言われたことがあり、愕然とした経験がある。

海上保安庁が命がけで海を守っていることは知っている。民間団体との協力や女性差別をしない事は同じレベルの話なのではないだろうか?

2008年に立ち上げたミクロネシア海洋保安事業はそれ以前からの笹川太平洋島嶼基金の活動が、政策が基盤にある。太平洋の広義の安全保障である。

羽生次郎前会長から、これからもずっと財団業務を継続して欲しいと言われた時、海洋問題を体系的に勉強しようと思った。そして同志社大学の坂元茂樹教授の門を叩いたのである。