梅、椿、桜とめまぐるしく咲き続けた花に混じって木瓜の花も時折姿を見た。「見た目」がそれほど劣る訳でもないと思うが、その名前のせいか、それともひどい刺を持つせいか、世間から忘れられた存在、のような気がする。
木瓜の花って我母校、国立音楽大学の花だったよな?と思い出し、まさか芍薬、牡丹、百合ではなかったか?とウェッブで調べたら、確かに木瓜だった。しかも、その理由がいつも「ボケー」っとしているから、である。
同時に歌を2つ見つけた。
木瓜自在 国立不慌
木瓜咲くや 漱石拙を 守るべく
前者は国立音大創設者、有馬大五郎先生の作。後者は夏目漱石先生。
漱石先生は木瓜になりたかったんだ~。まだ国音なかったもんね~。
木瓜も花 梅も桜も 気にしない (島女)
『草枕』より
---木瓜は面白い花である。枝は頑固で、かつて曲がった事がない。そんなら真直かというと、決して真直でもない。ただ真直な短い枝に、真直な短い枝が、ある角度で衝突して、斜に構えつつ全体が出来上がっている。そこへ、紅だか白だか要領を得ぬ花が安閑と咲く。柔らかい葉さえちらちら着ける。評して見ると木瓜は花のうちで、愚かにして悟ったものであろう。世間には拙を守るという人がある。この人が来世に生まれ変るときっと木瓜になる。余も木瓜になりたい。---