やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

菊千代ー弱者とは何か

やい、お前達、一体百姓をなんだと思ってたんだ?

仏様とでも思ってたか ああ?

笑わしちゃいけねえや。百姓ぐらい悪ずれした生き物はねんだぜ。

米出せって言や、無え。麦出せって言や、無え。何もかも無えって言うんだ。

ふん、ところがあるんだ。何だってあるんだ。

床板ひっぺがして掘ってみな。そこに無かったら納屋の隅だ。

出てくる、出てくる、瓶に入った米、塩、豆、酒。

山と山の間へ行ってみろ。そこには隠し田だあ。

正直面して、ペコペコ頭下げて嘘をつく。なんでもごまかす。

どっかに戦でもありゃ、すぐ竹槍作って落武者狩りだい。

よく聞きな。百姓ってのはな、けちんぼで、ずるくて、泣き虫で、意地悪で、間抜けで、人殺しだあ。

ちくしょう。おかしくって涙が出らあ。

だがな、こんなケダモノ作りやがったのは一体誰だ?

おめえ達だよ。侍だってんだよ。

ばかやろう。ちくしょう。

戦のためには村あ焼く、田畑踏ん潰す、食い物は取り上げる、人夫にはこき使う、女あさる、手向や殺す。

一体百姓はどうすりゃいいんだ。百姓はどうすりゃいいんだよ。くそー。

ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう。 

『七人の侍』菊千代の台詞

 

羽生会長から太平洋のことを教えて欲しいと言われた時、生意気にも「ミクロネシア、メラネシア、ポリネシアの違いなんてどうでもいい。弱者とは何か理解することの方が重要だ」と言った覚えがある。

 

このブログでは、できれば弱者についてもっと書きたい、と思っている。

 

弱者を知る本、資料、映画

上記の『七人の侍』、永井陽之介、百瀬宏、アネット・フォックス、網野善彦、松岡正剛、フーコー、、、

どこからどのように手を付ければ良いか。