やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

寺島さんのブログーほぼ日刊「海洋政策は今」

 ブログを立ち上げてから「ほぼ日刊」を目指しているが、何事にも3日坊主な自分には、遠い目標だ。

 「ほぼ日刊」で、ほぼ毎日拝読させていただいているのが笹川会長のブログと海洋政策財団の寺島さんのブログである。先日のブログには海洋基本法フォローアップ研究会のご報告が掲載されていた。「新たな海洋立国」を目指し、「海上交通路の安全確保や太平洋等の島嶼国の海洋に関する取り組みを支援する海洋外交の推進」も議論された、とあった。

 

 実は寺島さんが海洋問題では別格、大家であることを周りの方から言われて最近知った。(!)

 2年前、羽生会長の陣頭指揮で海洋案件が始まった時、羽生会長から「寺島さんは人格者であるので、教えを請え」とアドバイスいただいた。海洋問題の専門家であるから、というご説明がなかったので世間知らずの私は「海洋基本法ってなんですか?」みたいな質問をもって門を叩かせていただいた。

  そこはやっぱり人格者なのである。寺島さんはいつも穏やかに、にこにこ笑いながら、しかも大変多忙な方であるにも拘らず、丁寧にご説明、ご回答いただける。最初から予想はしていたものの、2年たって、やっと海洋問題の奥の深さがわかってきて太刀打ちできないと悟り、寺島さんに、「私、音大出身なもので。。。」と逃げに回った。これが墓穴を掘ってしまった。

 

「音楽の道から海洋の母になった人を知っています。エリザベス・マン・ボルゲーゼさんです。」と寺島さん。

 

「はい?(誰だろう?)」

 

 無知の無知とは恐ろしい。エリザベス・ボルゲーゼさんは『魔の山』の著者トーマス・マンの娘。ナチスが台頭する1938年、母国ドイツからスイスへ。同年チューリッヒの音楽学校で学位を得ている。翌年36歳年上のアンチファシストのボルゲーゼ氏と結婚。ローマクラブの唯一の女性創設者にして、『オーシャン・ガバナンス(海洋の総合管理)』の提唱者でありInternational Ocean Instituteの創設者である。