やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

トンガ王国もピンチ?

豪州のアボット首相だけでなく、トンガもピンチのようだ。

中国からのローン100億円強(トンガのGDPの40%)を返せないのでグラントにして欲しいと前政権が交渉していたが、結局北京はそれはまかりならん、きちんと返せ、とトンガ政府に通達したようだ。

Reports China won't forgive huge Tongan debt

27 February 2015

http://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/267296/reports-china-won't-forgive-huge-tongan-debt

1998年、トンガ王国が長年の友人台湾から中国へ乗り換え、国連等の国際テーブルでも旧来の友人である我が国日本、皇室との関係も深く、笹川良一会長が名誉総領事を務めた歴史のある日本への支持を表明しない場面も出て来た。

これを救ったのが日本の皇室外交であろう。

2006年の日本皇太子トンガ王国訪問直後に日本大使館が設置された。

皇室の政治利用、と言うより皇室が自ら日本の国難(小国でも一票の重みは変わらない)救ったと言っても過言ではないであろう。

それほどまでにトンガ王室と日本の皇室は関係が深い。これはツポウ5世から当方が直接伺っているので、想像でも妄想でもない。

下記にまとめた国賓のご接遇の数もその事を表している。

皇室と太平洋

http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1023

日本ートンガ王国関係を民間の立場から支援してきた笹川陽平会長にとって、この日本の皇室よるトンガ訪問と日本大使館設置はマイルストーンだったのではないだろうか?少なくとも前国王ツポウ5世の送迎担当だった当方にとっては肩の荷が下りたような感慨があった。

ジョージ・ツポウ5世(2) – 日本の皇室が支えたトンガの民主化

http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/551

ジョージ・ツポウ5世(3) – 太平洋の島に見る皇室外交

http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/553

さて、返せないお金を借りた方が悪いのか?返済能力を良く審査しないで、それとも返せないと知っていて貸した方が悪いのか?

この100億円の借金、トンガ政府は、北京はどう対処するのであろう?

友人がトンガ王国の副首相になったので今度こっそり聞いてみたい。