やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ミクロネシアメイサーク台風災害と日本の支援

2015年3月27日から4月2日にかけて、ミクロネシアのチューク州とヤップ州の離島を襲った台風メイサークの被害は日本で殆ど報道されていないと、聞いています。 大型サイクロンの被害を受けているバヌアツに比べ、出て来る情報が極めて少ないのですが、Facebookの方で少しずつ、継続して情報をアップしています。 その中で気になったのが日本の支援。 浄水器55台 と ポリタンク870個 重要な支援とは思いますが、「地味」では?と余計な心配をしていました。 しかし、米国政府の支援物資が本格的に動く中で、それを運んでいるのが日本が供与した船であることを昨晩発見し、これは日本・ミクロネシア連邦の関係にとっても、また日米協力という視点からも重要なので,もっと大々的に広報してよいのではないかと思いこのブログにも書かせていただきます。 下記の写真は、在ミクロネシア連邦の米国大使館FBからです。 USAIDと書かれた支援物資の後ろに控えている船「Caroline Voyage 号」は1998年に日本のODA(約10億円)で供与されたものでした。
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しかも、日本政府は供与しただけでなく、フォローアップもしています。 あまり書きたくありませんが、島嶼国では海外から供与された船舶のメンテが必ずしもしっかりできていません。だからこそ、日本財団が供与した監視艇は10年の燃料費とメンテ付きという画期的内容で、米豪に舌を巻かせました。 JICA donates over USD $500,000 in Materials to the FSM Government for the MS Caroline Voyager http://www.fsmgov.org/press/pr10221a.htm 加えて、4月24日には、日本のODAで2隻目のミクロネシア連邦を結ぶ貨客船 MV Four Windsが寄贈され、ポナペでセレモニーが行われました。 Mariana Varietyにその記事があります。 坂井大使が「FSM憲法前文にある”人々を結びつける”という精神を、日本は、またこのMV Four Windsが支援したい。」と語っています。これは昨今のチューク州分離独立の動きを知っていると非常に意味の重いコメントです。 "Japan turns over sea vessel to FSM" Mariana Variety 29 April 2015 http://www.mvariety.com/regional-news/76305-japan-turns-over-sea-vessel-to-fsm
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