4回目はマリアナバラエティの記事の紹介です。
"Yap state: Plebiscite necessary before Compact can be abolished"
10 Dec 2015 By Robert Q. Tupaz
今回、米国との自由連合破棄決議案を提出したのはヤップのIsaac Figir そしてチュック州の Bonsiano Nethon と Robson Romolow の3名。
記事では、例え議会が承認しても米国との自由連合協定を破棄するには国民投票が必要である事が指摘されている。
破棄理由は同じで繰り返すが、米国がFSMの事情を顧みず、援助金の打ち切り等独断してしまう事。また自由連合は相互に責任や義務があるにも拘らず、米国の議員には、米国からFSMへのチャリティだ、と述べている事などを理由としてあげている。
そしてこの理由は2011年に現大統領であるポナペ州出身のクリスチャン議員が述べた事の繰り返しであることも。。
この自由連合協定の動きに関して、今一番議論が熱くなっているのが、FSMの人口を受け入れているグアム、ハワイ等の「米国」である。
2013年には17,000人の自由連合協定国、即ちマーシャル諸島、ミクロネシア連邦、パラオ共和国の人々がグアムに居住しているという。グアムがこの17,000人に移民を受け入れるために必要とする2014年の予算は144ミリオンンダラー。
ミクロネシア連邦の前モリ大統領は、2023年自由連合協定の資金援助が打ち切られれば翌年2024年には50ミリオンンダラー財政赤字になる事を国民に説明している。
グアム政府は、2023年の自由連合協定支援金打ち切りに向けて、さらにミクロネシアからの移民が増える事が懸念されている、と述べた。
以上が記事の内容。
本件、ミクロネシア高官と現在米国連邦政府から米国の資金援助事業の評価作業を委託されている方と非公式に話し合う機会があった。
非公式の情報では、既に3万人のチュック州出身者がグアムに滞在しているという。
米国の援助事業は多くの問題を抱えているが、一つには米国連邦政府の担当者が自分の、また自分が所属する組織の評価をあげるため、即ち次年度の予算を確保するため、成功していない事業も成功したように報告している例がある。そしてミクロネシア側は、ファミリーやコミュニティの縁故関係で事業が開発され、失敗に終わっている例が多い、という話であった。
いったい、何のために多くの犠牲者を出してまで米国は日本からミクロネシアを奪ったのか?
ミクロネシアの社会問題に触れる度に、湧いて来る疑問である。