ウェブサーフィンしていて偶然見つけた論文である。
日英、日仏の安全保障・防衛協力 ― 日本のパートナーとしての英仏比較―
鶴岡 路人、防衛研究所紀要第 19 巻第 1 号(2016 年 12 月)
http://www.nids.mod.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j19_1_6.pdf
フランスの事も詳細に書かれているので、カテゴリーはどちらにしようか迷ったが、今日作ったばかりの「女王様の太平洋」にした。
英国、フランスの安全保障比較を詳細な事例を紹介しながら書かれて入れ、興味深い。
もし、インド太平洋戦略が現在のように世界的な大合唱になってから書かれたら、少し論調が変わっているかもしれない。
しかし、私にとっては身近な議論である。
実は太平洋島嶼国を扱う、ということはそこを裏庭と認識している、米、仏、英(英連邦諸国がある)を対象としていることなのだ。
英国は筆者が指摘するようにEU離脱でその外交・安全保障政策が相当変わってくるであろう。
私は、太平洋島嶼国に限って、英国のEU離脱に期待している。なぜか?
過去30年近く、英国はその存在をフェイドアウトし、EUとして太平洋島嶼国を扱ってきた。
しかしEUは太平洋島嶼国を理解していないし、外交や援助、何をしているのかわからないのである。
太平洋島嶼国の多くが英連邦である。英国のコミットメント、エンゲージメントがこの地域の安定を回復するかもしれない。その時日本はどのようなパートナーになれるか?だ。
この論文には出てこない、太平洋島嶼国のブラックマーケットの問題。
軍事安全保障ではないが、広義の安全保障である。そしてサイバーセキュリティもこの地域は脆弱だ。どちらも北朝鮮の問題にもつながる。