英国及び、英連邦の動きが見逃せないので、いよいよ新しいカテゴリーを設けました。
「女王様の太平洋」です。
さて、京大での研究会で質問を受けて答えきれなかった点がインドと太平洋の関係。
インド太平洋戦略の重要なアクターであるインドは、太平洋島嶼国と関連があるのか?
咄嗟に答えたのが、フィジーの人口の半分を占めるインド人の事。
フィジーが英領時代にサトウキビ労働者として連れてこられたインド人が人口の半分を占めています。この事がフィジーの民族問題でもあり、今でも課題として残っていますが、反面フィジーの強みでもあると言えます。
クーデターを起こした軍事政権に距離を置いた豪州、NZの穴を埋めるように、バイニマラマ政権のフィジー政府は中国始めインドなどBRICSとの関係を積極的に強化。2014年にはモディ首相がフィジーを訪ねています。
インド国家としての関与はまだ少なくとも、インド人は100年以上、フィジーを中心に太平洋島嶼国で活躍してきました。特に過去20年のICT(情報通信)分野で太平洋島嶼国が発展した背景にはインド人技術者の存在は大きいと言えるでしょう。そして詳しく調べた事はありませんが印僑のネットワークによる国際ビジネスを仕切っている側面があるように見受けられます。
研究会で触れる事が出来なかったのが英連邦の存在。
太平洋島嶼国の多くの国が英連邦に留まり、ソロモン諸島、ツバル、パプアニューギニアなどエリザベス女王を君主に頂いている国家もあります。当然インドも豪州と並ぶ英連邦の先鋒。インド太平洋戦略の中でインドのシーパワーが果たす役割は大きいのではないでしょうか?
特に英国がEUから離脱することで英国独自の外交安全保障政策が今後展開される事が予想されます。その際、ダイヤモンドセキュリティ構想の4つのシーパワーの内、豪州とインドが英連邦国である意味を注視する必要があると考えます。
インドは入っていませんが、1971年に締結された5か国防衛取極があります。これはイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア間の軍事同盟です。