やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

日本ーバヌアツー中国を結ぶ仮想通貨犯罪(2)

 仮想通貨Plustokenは関心が高いようだ。見ず知らずの方2名から「みんな知りたがっています」と言うメールをいただいた。

 

 さて、どのようにまとめればいいか決まらないので順を追って書いて行きたい。

 この6−7月、ニューカレドニアとシンガポールで開催された二つの学会に提出したペーパーが通ったので、思い切って参加することにした。ニューカレドニアの学会は自決権がテーマでまさに私が今書いている論文のテーマだ。シンガポールの学会はインド太平洋と海洋秩序の話をまとめた。これは一昨年から関わる機会をいただいた安倍政権のインド太平洋構想を中心に薗浦健太郎首相補佐官から資料もいただいてそれを発表した。

 ニューカレドニアからシンガポールに行く途中バヌアツに1週間ほど滞在した。私の一つ目の博士論文はバヌアツをケーススタディに扱い、博士論文をバヌアツのアーカイブに寄贈。古い友人らと再会することも目的だった。

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バヌアツ国立アーカイブ、左はバヌアツ文化センター所長のリチャード。古い友人だ。
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文化センターと国立アーカイブスは隣接している。この文化センターこそバヌアツの独立の拠点だ。

 

 まさかこんな大事件が私の滞在中の起こるとは想像もして、、実はしていました。

以前は私の滞在中にタイのタクシンが逃亡先、預金隠し先探しで滞在中だった。

南の島の楽園はまさに世界第一級の犯罪が日常の中で行われているのです。

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 バヌアツデイリーポストによると少なくとも6人の中国人がdeportationー国外追放、との記事。その中には、もしくは全員がバヌアツ市民権を持っていると言う。容疑は illegal internet-based scam against people in China ー 中国にいる人々を対象としたインターネット詐欺。

 6人の中の一人、Yuanyuan Chenは2017年にパスポートを取得。よく年Lianaと名前を変えて新たにパスポートを取得している、と言う。しかもインターポールはこのChenをレッドリストにあげていると言う。なぜバヌアツ政府はこのインターポールの情報を確認できなかった、もしくはしなかったのでしょう?

 ここまで書いて、いかにバヌアツが犯罪天国かお分かりいただけましたでしょうか?

 さらに犯罪天国を超えて法の支配とか秩序ってなに?と思ってしまうのが、この取り締まりが行われる直前に中国から6名の法執行官がバヌアツに到着していること。バヌアツ国内の法執行・取締過程を無視して連れ帰ろうとしたのだ。

 (こんな感じで続けて行きたいと思います。ご意見、ご質問歓迎です。)