やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

サモア首相、太平洋島嶼国の安全保障は自分達の問題

Samoa's PM says Pacific can deal with own security

www.sbs.com.au

中国が太平洋島嶼国で推し進めようとする安全保障。ミクロネシア連邦大統領の強い懸念を示す態度、喜んで受けれいたソロモン諸島、留保の姿勢を示したフィジー、サモア等々対応はさまざまである。

サモアのFiame Naomi Mata'afa首相が興味深いコメントを出している。中国の安全保障だけでなく、豪米英が締結した安全保障枠組みは太平洋島嶼国に事前の協議がなかった、と。

そして太平洋島嶼国は自ら安全保障に対峙できると。。

国家の規模から経済と安全保障はどこかに頼る必要がある。しかし誰とどのような関係を構築するかは主権国家の問題ではある、そうではあるのだが・・

要点は小国の安全保障・経済の歴史的経緯が重要になるのであろう。以下機会訳を貼る。

・・・

サモア首相、太平洋は自国の安全保障に対処できると発言

中国が提案した地域全体の協定は、今のところ太平洋諸島の指導者たちから支持されておらず、この問題は来月の太平洋諸島フォーラムの議題になると予想されている。

サモアのフィアメ・ナオミ・マタアファ首相は、太平洋の安全保障問題は地域国家によって対処可能であり、また対処すべきであると述べ、一方で中国の経済規模は魅力的な経済パートナーであると付け加えています。

太平洋における中国の影響力の増大と、小さな島国における軍事化の可能性は、隣国のオーストラリアやニュージーランド、そして同盟国であるアメリカにも懸念を抱かせるものだ。

「誰もが中国に関心を持っている。購買力のある巨大な市場だからだ」と、マタアファさんはニュージーランドを公式訪問中の金曜日にロイターのインタビューに答えた。

中国の地域的影響力の増大は、今年ソロモン諸島と安全保障条約を締結したことで浮き彫りになった。

また最近では、警察、セキュリティ、データ通信に関して、太平洋地域のほぼ12カ国と地域協力協定を締結するよう働きかけている。

太平洋地域の指導者たちは、先月、中国の高官とこの計画について話し合ったが、まだ合意には至っていない。

マタアファ氏は、これまでの地域協定を引き合いに出しながら、「私たちは地域全体として、すでにあるものにより広い意味で(安全)問題を扱う必要があります」と述べた。

7月に開催される太平洋諸島フォーラムの会合に出席する首脳は、各国が地域外の支援を求める必要がないと感じられるよう、安全保障に関してさらに多くのことを行う必要があるかどうかを議論すると、彼女は付け加えました。

指導者たちがソロモン諸島に対して、「私たちは十分ではなかったのでしょうか」と言うのは、妥当な質問だと思います。

"ソロモン諸島だけでなく、太平洋の他の地域でも発生する可能性があるからです。"

フォーラムは、太平洋の3つの文化的・地理的グループであるミクロネシア、メラネシア、ポリネシアにまたがる18の島国と、オーストラリア、ニュージーランドのグループである。台湾と外交関係を結んでいる国もあれば、北京と外交関係を結んでいる国もある。

マタアファ氏は、中国の提案が二国間協定であったとしても、サモアはそれが自国とそのパートナーにもたらす利益をさらに検討したいと考えただろうと述べた。

また、昨年の選挙以来、サモア政府は、より透明性を確保するために、援助国との優先事項の概略を説明する円卓会議政策を採用していると付け加えた。

オーストラリアとニュージーランドは、伝統的に島嶼国の安全保障と援助の主要なパートナーであり、必要に応じて開発、災害援助、軍事援助を提供してきました。

マタアファ氏は、この地域がますます紛争化していることは理解しているが、中国は外交的・経済的パートナーとして長い間存在感を示してきたと述べ、次のように付け加えました。「私が気に入らないのは、談話の中に人種差別の要素が含まれていることです」。

この地域はもはやブルーパシフィックの一部ではなく、より大きなインド太平洋の中に組み込まれており、より大きな発言力を必要としている、と彼女は言った。

「マタアファ氏は、昨年発表されたオーストラリア、イギリス、アメリカを含む安全保障グループであるAUKUSの創設について、南太平洋諸国は相談を受けておらず、本来なら相談に乗るべきだったと述べました。今、アメリカは基本的に戻ってきたいと考えています。」

「そして、そのことがオーストラリアとニュージーランドの役割と機能を高めているのだと思います」。

例えば、昨年発表されたオーストラリア、イギリス、アメリカを含む安全保障グループであるAUKUSの創設について、南太平洋諸国は相談を受けていなかったとマタアファは述べました。