やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

太平洋安全保障と安倍政権の島サミット(修正あり)

今年5月に開催された第8回島サミットの主要議題は「海洋安全保障」と「インド太平洋戦略」であった。小さな島々の集まりだが数の上でも、地政学上もそして海洋面積の点からもその影響は大きい。特に中国の進出、北朝鮮瀬取りなどを許す島嶼国の便宜置籍船ビジネスなど日本だけでなく米国、豪州、フランスなどにとっても脅威となる議案だ。

下記はテス・ケイン博士の来月開催される太平洋諸島フォーラム関連の分析である。

www.lowyinstitute.org

現在の地域安全保障案はサイバーセキュリティが弱まり気候変動の脅威が強調されているとのこと。そして既存の地域安全保障の原則である民主主義、法の支配、グッドガバナンスが再確認され、一部の地政学上の懸念(geo-strategic preoccupations)ではなく地域の安全保障に焦点が当てられたとある。一部の地政学上の懸念とは太平洋に進出する中国に対するニュージーランドやオーストラリアの懸念であろう。

しかし、この「一部の地政学上の懸念」は太平洋諸島フォーラムが無視できないのではないか?米国政府からジンク内務省大臣の参加が発表されたのだ。しかも国防省国務省沿岸警備隊も同行する。

www.uspress.news

米国の閣僚が太平洋諸島フォーラムに参加するのはこれが初めてではないだろうか?(「太平洋への回帰」を叫びアイランドホッピングをしたヒラリー長官の時でさえ、フォーラムへの参加はなかった。<ー 修正:2012年のクック諸島でのフォーラムの参加していました。)

yashinominews.hatenablog.com

米国こそ早くから中国の太平洋分割案に警告をしてきた国である。「一部の地政学上の懸念」として太平洋島嶼国が無視できるのか?

yashinominews.hatenablog.com

豪州NZ米のみならず太平洋に広大なEEZを管轄するフランス、英連邦メンバー国を持つ英国を含め、太平洋の安全保障この動きを作ったのは日本、安倍政権である。日本も大臣レベルを出した事は未だかつていないであろう?一体誰が参加するのか?まさか河野外相?薗浦健太郎内閣総理大臣補佐ではないか?個人的には農林水産大臣に参加いただきマグロのたまごの数を教えてきてほしい。太平洋諸島フォーラムメンバー誰も知りません!