やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

知恩院の試し突き

知恩院の試し突き

 子供がいると、できなくなったことも多い。

 キムチやコチジャン入りの辛い料理が食べられなくなったし、夜遊びもできない。

 年末行事、除夜の鐘もその一つだ。

 京都で日米豪の民間交流活動をしている。

 なんてことはない、米豪からの友人をもてなしているだけだが、どこへ連れて行こうかコミュニティ誌を見ていたら「知恩院で試し突き」の記事を見つけた。12月27日、14時からなので子供も行ける!

 しかも知恩院の大鐘というのは、NHKゆく年くる年で紹介される程有名なものらしい。

 確かに「試し」即ちリハーサルが必要な程の一大事であった。

 鐘を突く棒には親綱1本、子綱16本の綱がつけられて、1人対16人の僧侶が息を合わせ、

 「えーい ひとーつ」 「そーれ」

とやるのだ。

 しかも親綱を持つ僧侶は鐘を突く時、地べたに倒れる程強く突く。

 その音は、確かに108の煩悩を取り払う程の響きであった。これはテレビでは伝わらない。

 

 さて、108の煩悩とは何か、米豪の客人に説明せねばならない。

 {6つの感覚(六根)×好悪平(三種)+6つの感情(六塵)×苦楽捨(三受)}×過去現在未来(三世)=108

 喜びがあるから苦しみがある。良い事があるから悪い事もある。

 煩悩を払い、年神様をお迎えしよう。

 (「とし」は和語。穀物、稲の意味。これで「しめ縄飾り」の意味も説明できる。)