SSEAYP International
自分の関わった組織が継続し発展している姿を見るのは嬉しい。
20代、10年近くアセアンと日本の国際組織、SSEAYP Internationalの事務局長をやらせていただいた。ここでアセアンの友人達に鍛えられた。この経験がなければ、笹川平和財団に入ってすぐに仕事はできなかったであろう。
私の前任者はタイのノパドン・パタマ氏,外務大臣も務めカンボジア寺院の世界遺産登録を巡って辞職したニュースには驚いた。フィリピンの代表はミンダナオの女王、アミーナ・ラスール・ベルナルド女史。
一昨年シンガポールを訪ね、海軍学校の校長先生をしていたタン・スーン・ホー少佐と久しぶりに食事をした。まだ50代だが定年退職し、ボランティアで各学校のマネージメント指導をしている。
こんな友人達に鍛えられたのだ。今思うとまさに“有り難き“チャンスだった。
しかも、彼ら全員ボランティアでこの国際組織を運営、支えている。私も勿論ボランティアで年間数百万円は持ち出していた。これも今思うと安い授業料だった。
SSEAYP Internationalの年次総会が各国持ち回りで開催されるのだが、今年はシンガポールで23回目を迎える。
委員長を務めるのはジョン・ビジャヤン。インド系シンガポール人。中華系シンガポール人の奥さんがいる。人種、宗教が複雑に交差したアセアンの現実も彼らから教わった。
ジョンにメールを出すと直ぐに返事が来た。「娘を連れてこい。」
20年前のシンガポール。古い町並みがまだ残っていた。セントーサの博物館やチャンギ空港の戦争の爪痕を見せつけられた時の衝撃は昨日のように覚えている。
なんで身銭まで切ってボランティア活動をするんだろう、と自問自答したことが何度もあった。
そんな時、シンガポールのメンバーから聞いた話だ。
「祖母が、なんで日本に行くんだ、殺されるぞ、と言うんだよ。でも最近僕の活動を見て、日本人を家に連れて来い、泊まってもらいなさい、と言ってくれるようになったんだ。」
(文責:早川理恵子)