やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

30億円の基金を任されて(9)

30億円の基金を任されて ー 昨年入学した同志社大学の法学研究科で自分の子供ような学生さんたちから仕事のこと聞かれて書き出したブログのテーマ。笹川平和財団の愚痴ばかりになっている。それでも控え目に書いている。もっとすごい状況だったのです!

ところで今日

「早川さんはどうやって英語が話せるようになったのですか?」

と聞かれ、

「え、っとNHKのラジオ英会話を1年聞いたのが効果あったかな。後はオンザジョブトレーニング」

と咄嗟に答えた。

あとで色々思い出したが違っていた。なんせ30年前の事である。記憶は交錯する。

きっかけはアセアンと日本の国際組織を24歳にして立ち上げ、運営する立場となった事である。内閣府の青年の船に参加したのがきっかけで、昨年亡くなられた大橋玲子さんにつかまり、事後活動組織にのめり込んでいったのだ。10年近く国際組織運営をしていたのだ。笹川平和財団の仕事とは別に。。

まずは国際組織の憲章作り。英語だ。アセアン各国とのやりとり。会議の参加。全部英語。早稲田、慶応、東大のメンバーもいたが誰も詰めの作業をしない。打ち上げ花火のカッコイイとこだけ出てくる。まだ覚えているのは今早稲田大学の教授になったらしい黒田一雄君が私と同じ同窓会組織の幹部になっているのに何もしない。

「なんでメンバーになったの?」と聞いたら

「留学するのにボランティア活動の経歴が必要なんだ」とシャアシャアと言ったのは30年経った今も覚えている。日本がこんな事ではアセアンから軽蔑される、と真剣に思った24歳の私がいた。

国際組織立ち上げと運営。緻密で地味で、粘り強さが必要とされる。音大生じゃないとできない作業なんだよ。東大生、早稲田 etc.みんな口ばっかりだった。