やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

Interview - Holly Barker - U.S. Nuclear Testing on the Marshallese

Interview - Holly Barker - U.S. Nuclear Testing on the Marshallese

 

 日本の原子力開発と太平洋島嶼国支援が緊密な関係にあると書いたら、稲村公望さんからマーシャル諸島の実態はどうなっているのか?という質問をいただいた。

 核実験の悲惨な現状は多くの資料が既に出ていて、本当は知っていなければならない話しなのだが、その悲惨さはホロコースト以上で入り口に触れただけでもで頭がおかしくなりそうな話ばかりなのだ。臆病で卑怯な自分はこの問題からわざと遠ざかっていた。

 

 再来週マーシャル諸島出張が入り、周辺情報を集めていたらYokwe Online というマーシャル諸島情報の人気サイトに下記のインタビューが掲載されているのを発見。

 淡々と話すHolly Barker博士。この問題の深刻さを避けず、かつ冷静に聞ける。

 

 現在ワシントン大学の文化人類学科に在籍する米国人Holly Barker博士は平和部隊で英語教師としてマーシャル諸島に滞在。マーシャル語を学び、帰国後ワシントンDCのマーシャル諸島大使館の依頼でこれらの事実を突き止めた。

 

 マーシャル諸島で行われた米国の核実験の規模。一日に広島に落ちた爆弾2つ分が毎日、12年間継続されたのと同じ量に値する。つまり,2×365×12=8760。広島への投下原爆が8769回。

 そしてアメリカがマーシャル諸島の人々にしたこと。被爆するようわざと置き去りにする。放射能物質を飲ませる。放射能物質を注射する。それでこの反応の違いを医学的に調査する。被爆して痛みを訴えているにも拘らず鎮痛剤も与えず医学的観察を続ける。

 マーシャル諸島の人々がこれらの事実を知ったのが実験後40年経ってから。この10年だ。

 Holly Baker博士著 "Bravo for the Marshallese: Regaining Control in a Post-Nuclear, Post-Colonial World"が出版されたのは2003年。

 

 今回の出張ではこの核実験の反対運動に身を捧げ、現在はMarshall Islands Journalの編集長をしている友人にも会う予定。彼と核の話しをした事は未だ一度もない。

 

これもリンクが切れていたのでHolly Barker氏の動画を探して貼っておく。

これは福島と関連したセミナー

こちらがこのブログで参照したインタビューだと思う。