やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ヤップ島、米国人司法長官代理殺人事件(3)

1. Peter Christian 前ミクロネシア大統領の汚職事件

Bergeron女史殺害事件関連ニュースで、いかにミクロネシアの政治が腐敗しているか?Peter Christian 前ミクロネシア大統領の件が取り上げられている。

https://www.kanditnews.com/post/martyrdom-against-corruption-in-yap

2019年、今年上旬の事件である。下記のパシフィックアイランドタイムス他の記事を参考にまとめると、Christian 前ミクロネシア大統領の娘婿に学歴を偽称させ運輸省事務次官に抜擢。そこで彼がしたのは米国連邦政府の空港改修事業の委託先選びの際に賄賂を受け取り、これが米国連邦政府により摘発され逮捕となった。別のニュースではChristian 大統領も関わっていると書かれている。とにかく汚職、賄賂が当り前の太平洋島嶼国なのだ。だから中国とも相性が良い。

 Peter Christian 前ミクロネシア大統領の評判は国内外どこでも最悪だった。私もハラスメントを受けた経験がある。

https://www.pacificislandtimes.com/single-post/2019/04/03/FSM-presidents-kin-pleads-guilty-in-bribery-case

 

2.人身売買で逮捕されたアリゾナの政治家

下記の記事に人身売買の例として出されていたマーシャル諸島の事件

Rachelle Bergeron, Acting Attorney General of Yap and US Citizen, Assassinated by Slave Traders? | flyingpenguin

これも極簡単にまとめると、マーシャル諸島でキリスト教関連の活動をしていたアリゾナの政治家が、マーシャル諸島の妊婦を米国に呼んで養子縁組をしていた。赤ん坊は一人400万円位で売られ(縁組みをし)妊婦には100万円程度が渡された。医療費など1億円近い金もこのリゾナの政治家が懐に。

100万円はマーシャル諸島の人にとっては大金だ。妊娠をさせられた、もしくは金のためにした、可能性も否定できないだろう。

Paul Petersen: Arizona official indicted in adoption fraud scheme

 

Paul Petersen brought pregnant Marshallese women to Arizona and charged $35,000 for adoptions, accor

 

 

3.パラオの麻薬取締官の車が爆破される。

島内の悪事を暴こうとする動きの中で殺害、というケースは少ないがあらゆる手段で脅しをかけてくるのは日常茶飯事だ。隣のパラオで麻薬取締官の車が爆破された。私の知人で柔道師範でもある。麻薬取締で何件か数ヶ月後に裁判にかけらる事と関連しているだろう、と。昨年も彼の誕生日に船が爆破された。

Drug Enforcement Director's car burned, suspected to be link to drug cases - Island Times

この件に関し、レメンゲサウ大統領が確固たる対処をすると言っているが、過去に人身売買摘発を進めようとした米国人弁護士を更迭したのはレメンげさウ大統領だ。犯人はペリリューの政治家で大統領の友人。そして大統領自身が台湾の陳水扁元総統とマネロンをやっていたことは世界中が知っていて日本政府だけが知らない事実である。

Palau president stands with NEA director in fight against drugs - Island Times