やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

キャンベル国務次官補のアイランドホッピング その5 ー トンガ編

トンガ政府公式ホームページより転載

 

2011年6月27日、キャンベル国務次官補一行は太平洋訪問3つ目の国、トンガ王国を訪ねた。

トンガとアメリカの関係がピンと来なかったがいくつかの利害関係がある。  

まずは中国の影響だ。このアインランドホッピングー太平洋島嶼国訪問が開始される前のインタビューで、「なぜ、この時期に太平洋なのか?新たな脅威があるのか?それは中国のことではないか?」とメディアからしつこく質問されていた。

この誘導尋問は完全に否定していたがクリントン長官の議会発言や中国寄りと言われていた豪州ラッド元首相がウィキリークスで暴露された発言内容をみれば、米豪共に中国の太平洋進出を「脅威」と位置づけているのは明白だ。ただ公式に言わないだけ。

太平洋でいち早く中国と急接近したのはトンガ王国で、メディアの注目を集めたのは2000年初頭である。最近は中国から軍事支援まで受け、豪州も警戒感を高めている。  

2つめの理由が、トンガ王国は太平洋島嶼国の中で軍隊をもつ3つの国の一つである事だ。今回の訪問はトリプルD-即ち、Diplomacy, Development, Defenceが課題であり、軍事政権のフィジーはさすがに訪問国に入らなかったが、軍隊のあるパプアニューギニアとトンガは米国のDefence対話国である。キャンベル国務次官補はトンガ国王に「アフガニスタン、イラクへの派兵を感謝した。」述べている。

ところでトンガ政府の国防大臣と外務大臣は長年皇太子が努めていた。現在は首相が兼任してる。即ち米国のトリプルD軍団のトンガ王国での対話相手は首相一人で済んだ、ということだ。  

3つ目が米国のトンガ人である。ハワイ、カリフォルニア、ユタ州には大きなトンガコミュニティがある。そこで誕生した若者は米国市民だ。それからハワイ大学内にある東西センターは米国連邦政府機関だが、Pacific Islands Development Programがあり、米国主催の太平洋島サミットを開催している。ここでなが年所長を務めるのはトンガ人Sitiveni Halapua博士である。  

 

トンガ訪問の内容については詳細があまり見つからなかった。

<参考ウェッブ> Official Visit of Assistant Secretary Campbell to Tonga

http://www.mic.gov.to/press-releases/2668-official-visit-of-assistant-secretary-campbell-to-tonga