やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2011年の回顧 (2)

2011年の回顧 (2)

 

 2011年、たいした事はしていないが、やっぱり国際テロ組織退治は一生の一大事であった。

 詳細が書けないのが残念だが、海洋安全保障の専門家、実務者がワンサといる中で、まさか音大卒の私にこんな指示が来るとは予想していなかったので、驚いた。

 ミクロネシア3カ国の大統領の了解を取って来て欲しい、という指示よりも百倍くらいショックだった。

 この国際テロ組織は震災に遭われた東北の方達にも迷惑をかけている。募金以外何もできなかった自分であるが、この組織を退治する事で少しは東北の方達の役に立てる様な気もして全身全霊で対処する事とした。

 日米豪とミクロネシア3カ国の6カ国の海洋安全保障枠組作りをする中で、意外と「味方(理解者)が敵陣にいる」という経験をしてきた。また敵陣も一枚岩ではない事を経験的に学んだ。人脈作りに励め、というのは羽生会長の指示であるが、人脈がどんなに大事か今回の件で痛感した。

 相変わらず指示は大胆で退治方法まで任せられた。現場を知らない人に細かい指示をもらっても逆に困る事もある。今回は水面下の情報工作。電話、メールが武器だった。

 どんな情報をどのタイミングで誰に流すか、これは以前も書いたが、最後は「カンと度胸と愛嬌」の勝負である。

 後日、共に戦った同士とはこの件に関しては多くを語らず、それでも心の底で通じているように思う。一生の友人である。