パラオの違法操業取締 — 続報
パラオのEEZ内で違法操業をしていた中国船を取締中、漁船員1名がパラオの発砲により死亡。上空から撮影していた3名を乗せた飛行機が行方不明、とのニュースがあったが、その続報である。
台湾と国交のあるパラオに中国の大使館はなく、隣のミクロネシア連邦の中国大使館から2名(Counselor Wen Zhencai、 Attaché Pan Haitao)が4月5−13日パラオを訪問する事となった。
パラオのギボンズ法務大臣は、25名の中国漁船員が現在パラオ内で勾留されていることを明らかにした。なお留置所の場所が限られているため3カ所に分けて勾留。
先にFish and Wildlife Division officersによって逮捕された5名の漁船員は 違法操業の罪で告訴が決まっている。
なお4月1日、日曜日の午後、取締を上空から支援し撮影していた2人のCriminal Investigation Division officers(Det. Lt. Willie Mays Towai 47歳、Police Officer Earlee Decherong 33歳)と米国人パイロット(Franklin Ohlinge 58歳、米国人)は未だ行方不明で、地元警察、米国沿岸警備隊、民間人が協力し捜索を継続している。
交信記録に寄れば飛行機のナビゲーションシステムが正常に動作しておらず、パイロットは場所の確定ができなかった模様。 2名の乗組員はVHFで地上警察と交信できたはずだが同日夜8:15 から8:20の間に交信は途切れている。
ギボンズ大臣はこの日曜日まで諦めずに捜索をすると話す。
米国沿岸警備隊は、378-foot long High Endurance Cutter (vessel), 65 Dolphin Helicopter (aboard the Cutter)、C-130 aircraftを今回の遭難救助に出している。
パラオは2つのヘリコプターと豪州が供与したPSS H.I. Remeliik Patrol Boat, 警察のスピードボート、そして個人所有のスピードボートが出ている。
Microsoft社の共同創設社Paul Allen氏所有のメガヨット(126m, ヘリコプター2機、遠隔操作の海底探索機も搭載)も捜索に協力。
ギボンズ大臣は行方不明者の家族も招き、捜索が成功する事を祈る集会を呼びかけた。
———
ここまでがパラオの地元紙Islands Timesの記事からサマリーです。
パラオの違法操業取締と言えば、昨年末グリーンピースが太平洋の違法操業キャンペーン- “Defending our Pacific ship tour 2011” - で訪ねたパラオで早速台湾漁船の違法操業を発見したニュースが思い出します。この時はグリーンピースのヘリコプターが上空から撮影。下記のサイトに違法操業の写真が掲載されています。
今回はパラオ警察が搭乗した飛行機のナビゲーションシステムに問題があったようですが、機器のメンテナンスや運用がどうであったのか。豪州の関係者は既に詳細を知っている事と思いますので、来週から行くキャンベラ出張でも情報を収集したいと思います。
またミクロネシアの国境犯罪をめぐる衝撃的なレポート(下記の3本)を見つけましたので、これも豪州政府の反応を確認した後、まとめたいと思います。
BORDER SECURITY TRANSNATIONAL CRIME IN MICRONESIA (PART 1) by Michael Yui: Singapore
MICRONESIA AND ITS LAW ENFORCEMENT PROBLEMS (PART II). by Michael Yui: Singapore
BORDER SECURITY - TRANSNATIONAL CRIME IN MICRONESIA by Michael Yui: Singapore