やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ミクロネシアの海底通信ケーブルに世銀51ミリオンドル か?

新聞であれば、”か?”の前で半分に折りたいニュースである。

ミクロネシア連邦が7年近くかけてこの4月に電話通信の自由化法案を可決した事はこのブログでも紹介した。

ミクロネシア連邦通信自由化法案成立 [2014年04月05日(Sat)]

7月14日付け大統領から議会に対する書簡では、その成果の第一報として、世銀から51ミリオンドル(日本円で約51億円)の財政支援の可能性がある事を明らかにした。

この資金は主にパラオーヤップーグアムを結ぶ海底通信ケーブルに当てられるが、他にも既に施設されている、クアジェリンーマジュローポナペーグアムの海底通信ケーブルからチュック州のWeno、Satowanへの延長ケーブル施設、さらにコスラエ州へのO3B(衛星ブロードバンドインターネット)へのアクセスもカバーしている。

大統領からの書簡

http://www.fsmpio.fm/Executive_Order/New%20folder/IDA_17.pdf

今回のニュースは自分の事のように嬉しい。なぜか?

笹川陽平運営委員長(当時)の判断でUSPNetを日本にODAにする、という一大事業を成し遂げた笹川太平洋島嶼基金は、二代目運営委員長渡辺昭夫東大名誉教授を迎え、USPがカバーしないミクロネシアデジタルディバイド解消に2000年頃から努めて来たのだ。

このブログトップの写真(当方とミクロネシア連邦大統領、大統領補佐官、副大統領、そして通信運輸大臣)は2008年5月のもので、大統領が電気通信制度改正を大統領令事案にすると決定した瞬間である。この瞬間から基金は海洋安全保障に大きく舵取りをしたので、通信の話は横目で見てきた。通信環境の改善は現在進めている海洋安全保障とも全く無関係ではない。

で、今回のニュースは自分の事のように嬉しい。

勿論まだまだこれからが勝負、ではある。