やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ICT4D

The Modern History of ICT in Oceania - PEACESAT, USPNet, Wifi and Cyber Crimes<DRAFT>

The United States, Japan, Australia and other like-minded democracies have been active in supporting submarine telecommunication cables linking the Pacific island countries. This is against a challenging international order, and in particu…

衛星通信と私 (16)

Space Japan Review 4-5 No.16 April/May. 2001 に掲載された記事である。まだそのサイトがあるがいつか消されるかもしれないのでコピペしておきたい。衛星研究第一人者の飯田尚志博士から依頼を受けて書いたものだ。2001年、私はまさに先日亡くなられたパラ…

ミャンマー少数民族とパラオのカジノ・麻薬・マネロン・人身売買

パラオの闇に関して情報交換をしている某国諜報機関から、ミャンマーの少数民族に入り込むマカオ三号会に関する報告書のリンクが送られてきた。公開情報なのでブログに書けます。 オーストラリア国立大学の中国専門家ともこの報告書を共有したところ関連のニ…

太平洋でせめぎ合う米中のEEZ

今度出る英和の原稿に掲載予定の太平洋のEEZ。いかに中国が進出しているか、これでわからないだろうか? EEZは領海ではないのだが中国は「海洋国土」と表現し、あたかも領海のように扱う気配が見られる。それだでけではない。米国はあまり知られていないが多…

私が作った日米宇宙開発協力の一歩

2020年5月18日、自衛隊に宇宙作戦隊、Space Operation Squadronが創設された。これは前年の2019年8月29日、米軍に創設された宇宙軍United States Space Command:USSPACECOMに日本が呼応する形だ。米国は創設員78名、日本は20名だという。 日米の衛星開発協…

キリバス台湾断交と中国衛星スパイ基地と売春婦

キリバスは日本に支援をずっと要請してきたのである。日本は何もできなかった。米豪首脳会談に日本も参加すべきだ。中国の海洋権益だけでなく、中国宇宙軍に利するばかりなのだから。 ニュージーランドのマイケル・フィールド記者は、先日英国軍ラグビーチー…

森総理とナカムラ大統領を動かした話

ジャーナリストの有本香さんが世間の森総理の評価が間違っているとTWされていたので思わず、ミクロネシア3カ国に日本大使館を開設したのは森総理で、それまでは遠いフィジーの日本大使館が管轄。ついでに言うとミクロネシア隣のグアム、サイパンの日本領事…

歯欠け駒の一帯一路 マカオ〜香港〜カンボジア〜パラオ〜バヌアツ

マカオ・香港のギャング歯欠け駒(14Kの親分)が、パラオに入りレメンゲサウ大統領とカジノか何かのビジネスを始めようとしたことは今年地元のメディアで取り上げられていた。香港のデモを解説した郵便学者内藤陽介先生のおかげでこの歯欠け駒さんが何者であ…

日本ーバヌアツー中国を結ぶ仮想通貨犯罪(8)最終回 ー債務の罠か歳入の罠か

バヌアツで起こった中国人による仮想通貨犯罪。たまたまこの事件があった時にバヌアツに滞在していた。そして日本に戻ってから浅野亮教授からご関心を持っていただいた事をきっかけにまとめてみようと思った。 何より資料を読んで行く中で、旧知の現地ジャー…

日本ーバヌアツー中国を結ぶ仮想通貨犯罪(5)『金融ダークサイド』猫組長著

南の楽園、太平洋島嶼国は実は犯罪の楽園、しかも世界第1級の越境犯罪の楽園、であることはこのブログを読んでいただいている方にはわかっていただけたと思う。 私はかなり早くから、つまり数十年前から島を歩き回っている中で肌で感じてきた。まさか、とい…

日本ーバヌアツー中国を結ぶ仮想通貨犯罪

みなさん、中国とバヌアツに騙されたんですね。 同志社大学に中国研究第一人者の浅野亮先生がいる。昨年と今年と聴講させていただいている。 もう中国を知らずに太平洋を語れないのだ。私自身が中共のスパイからマークされている。しかもニューカレドニアで…

中国の衛星覇権を支えるトンガ王国とアメリカ人

有本香さんが構成した虎ノ門ニュース。佐藤外務副大臣を招きテーマはなんと太平洋島嶼国だった。2年前に古屋議員初め国会議員の皆さんに講演をさせていただく機会があった時は、肝心の外務省が太平洋島嶼国の実態を何も認識していないくて絶望的になった。し…

一つ目の博論と秋篠宮殿下のお言葉

2つ目の博論を始めるきっかけの一つが空海だった。 1つ目は? 秋篠宮殿下のお言葉である。 青学の渡辺昭夫先生の下で2つ目の修論を国際政治学で、太平洋の情報通信と日米関係をテーマにまとめた後だ。博士をやらないとダメだと強く押してくれたのがハワイ…

現代版フリーメーソン?インターネット協会

インターネット協会という不思議な組織がある。 私はこのニュージーランドチャプターの会員だ。もう10年位会員なのだが、ここ数年は全く顔を出していなかった。 www.internetsociety.org 先日久しぶりに集会に参加。 あー懐かしい。ヒッピーみたいなおじさん…

トンガサットに払われた中国の援助資金は王女様のポケットに?

matangitonga.to 昨年、トンガ司法裁判所が違法との判決を下した、トンガサットの中国援助金受領。本来であればトンガ政府に払われた中国政府からの約50億円が、トンガ王女が所有する衛星会社、トンガサット(The Friendly Islands Satellite Communicatio…

世界のサイバーセキュリティを崩壊させた日本官僚

サイバーセキュリティー担当大臣に就任した桜田議員が「PC使ってない」と言うことが話題になっている。情報通信政策で博士号と取った当方は開発の分野でこの事を論文で議論したが、サイバーセキュリティの世界でも、同じであろう。 PCが使えることと、サイバ…

トンガ王国・衛星・ヒューズ・笹川

なかなかトンガサットのことが書けない。 ハワード・ヒューズから書き出したらあまり関心を持ってもらえないことがわかった。 荒く、ざっと全体像だけ書いておく。 トンガが中国の債務の罠に嵌ったのは、トンガサットという衛星会社が原因だ。 この会社は国…

ヘンリー王子夫妻を迎える「日本太平洋ICTセンター」

ニュージーランド、オーストラリアに続いてフィジーを訪ねられている英国ヘンリー王子ご夫妻。 南太平洋大学内に日本のODA約30億円でで建てた「日本太平洋ICTセンター」にご夫妻をお迎えできた事は日英協力の一歩です。実は私はそのつもりで90年代英国関係機…

博論ーロシアインテリジェンスがダウンロードか?

オープンアクセスにしている一つ目の博論。 どこからダウンロードされているのか統計が出る。 1年少しで合計600回近くダウンロードされているのだ。 以前からロシア・中国からもダウンロードされていて驚いていたのだが、先日見たら、米国(111)に次いでロ…

中国人民解放軍海軍、遠望型衛星追跡艦フィジーに現れる!

フィジーに寄港している中国人民解放軍海軍のYuan Wang 7(遠望7号) PRC Research Vessel Refuels, Restocks After 100 Days At Sea April 25 2018 http://fijisun.com.fj/2018/04/25/prc-research-vessel-refuels-restocks-after-100-days-at-sea/ 中国人…

博論のダウンロード500件を超える

太平洋の情報通信政策についてまとめた博士論文。公開にしているがアクセス統計が確認できる。 なんとこの1年で500件以上のダウンロードされ、ページビューは800件近い。 https://ourarchive.otago.ac.nz/handle/10523/7139/stats そしてダウンロードがされ…

1992年PEACESAT仙台会議での笹川堯政務次官挨拶と私が書いた笹川良一名誉会長のメッセージ

笹川堯郵政政務次官(当時) 私はお話しした事もありませんが25年前、仙台会議に駆けつけていただいた事を感謝しています。 ありました!前回書いたブログで触れた 笹川堯政務次官挨拶。 笹川議員はハワイまで訪ねていたのだ。 笹川陽平運営委員長(当時)か…

日本の衛星開発を後押しした私

国際宇宙協力の一貫で進められた衛星事業パートナーズで使用されや「きく5号」(ETS-V) 昨日、衛星開発の専門家と話す機会があった。 私が日本の衛星開発を後押しした歴史を知らなかった。そう、私は歴史を語る立場となったのだ。 私が財団に入った1991年。…

ミクロネシア連邦クリスチャン大統領のせいでヤップがまだ海底通信ケーブルがつながっていない話(これから書きます)

Quite often I think Yap should join Palau, not part of FSM. The fiber optic cable arrived in Palau by boat this past August at the same time that it arrived in Yap. Palau's cable is installed. What happened in Yap? ‘Slow’ is an understatem…

稲村公望さんとの出会い

私が、笹川平和財団で30年近く働く事ができたのは笹川陽平氏がいつも高く評価してくれたからである、ことは事実だ。 1991年に財団に入った時、前任者がメチャメチャにしたまま既に財団を去った状態であった。財団の幹部は皆さん匙を投げている状態だった。し…

Self-determinable Development of Small Islands

昨年、Springerからデジタル書籍で出版された下記の本が、ハードコピーで出版されました。私は、ICT4D, 情報通信政策と開発について一つ目の博論から1章書かせていただきました。 本来ならばお世話になった先生方に献呈すべきところですが、一冊140£!約…

パラオヤップを結ぶ海底通信ケーブル

笹川平和財団の前会長、羽生次郎さんは思った事をそのまま口される方だったようだ。 会長室での吊し上げ、という貴重な経験もしたが、最初にお会いした早々 「あんたのやっている情報通信事業は財団のみんなが訳のわからない事やっている、と評判悪いよ。」…

書評ー Self-determinable Development of Small Islands

昨年琉球大学から出版された本の書評があった。 Self-determinable development of small islands by Masahide Ishihara, Eiichi Hoshino and Yoko Fujita (Eds.) (reviewer: Thanasis Kizos). Vol. 11(2) (Nov 2016) Island Studies Journal – ISSN: 1715 –…

博論のアクセス

今年受理された当方の博士論文はオープンアクセスにしてある。 先日、そのウェッブサイトを見たら統計がある事が判明。 https://ourarchive.otago.ac.nz/handle/10523/7139/stats ダウンロードは233件 ページビューは620件 であった。 国別の統計もあり多い…

安全保障と情報通信ーカナダ、サイパンの動き

カナダ政府が、米国国防省も台湾軍も使用する、衛星会社を中国に売り渡すことを許可したと言うニュース。勿論米国が激しく批難。 U.S. rebukes Canada over Chinese takeover of Norsat https://www.theglobeandmail.com/news/politics/us-rebukes-canada-ov…