やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

島と海のネット第1回総会報告 その2

島と海のネット第1回総会では、オンラインでは、インターネットでは得られない数々の情報が得られた。やはり人の顔が見れる情報は、サイバー情報とは質が違う。

今回の島サミットの目玉は以前ブログでお伝えした通り「マグロ」

漁業がこんなに強調されて島サミットで扱われた事はない。

というか、水産庁も、3.11以前の島サミットが外務省と電事連の、いや電事連が裏で仕切る原子力対策会議である事を見抜いて積極的に関与しなかった背景がある、と噂で聞いている。

繰り返すが、この流れを変えたのが笹川平和財団。海洋問題を独立のアジェンダにした。

マグロが、漁業がなぜ議案に、しかも4項目に渡って上げられたのか。

このブログには書かない、という条件で政府高官から教えていただいた。

なので残念ながら皆さんにはお知らせできません。

でもヒント。

かなり国家上層レベルの働きかけが太平洋島嶼国首脳にあったそうだ。

上層、そもれかなり上層レベル。

ミクロネシアでも漁業関連で大きな動きがあった。

まずは、日本財団笹川平和財団がテコ入れしているパラオ

下記のニュースによると、レメンゲサウ大統領は後を絶たない違法漁船をいよいよ燃やして、ドキュメンタリーにし、世界に訴える事に。

これらの漁船は登録もしていない。登録をして操業している日本漁船とは全く違うのだ。

Palau to Burn Vietnamese Fishing Vessels to Deter Future IUU Activities

Posted on May 29, 2015 by Oceania TV News

http://www.oceaniatv.net/2015/05/29/palau-to-burn-vietnamese-fishing-vessels-to-deter-future-iuu-activities/

それからミクロネシア連邦

年明けに日本漁船を拿捕し、法外な示談金を吹っかけてきた米国人法律家エイプリル•スキリング司法長官が更迭。国外追放、との噂が。

親日派であったはずのミクロネシア連邦が、モリ大統領が、パラオがやっているような本来あるべきIUU対策をせず、強盗のような、金欲しさだけのIUU対応をした背景はなんなのか、じっくり検討する必要はある、と思う。

未熟なPNAの暴走、即ちIUUを見極められない島嶼国のキャパシティ不足は否めない。

それから金優先の海洋保護活動が、米国の法律家や金持ち、そしてプロパガンダ環境団体が背景にいる事も忘れてはいけないかもしれない。

結果、日ミクロネシア外交関係を崖っぷちに追い込むまでの状況に。

そうすると島サミットの漁業に関する宣言内容の重みが一層増すのではないだろうか。