やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

パラオの観光に陰り、そして海洋保護区にも。。

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パラオ寄港予定の海上自衛隊の輸送艦「しもきた」

 

パラオ観光局からの報告によると2016年5月の観光客数は9,602 人。昨年の同月の15,705人に比べ大きく減った。

原因として考えられるのは、3月あたりから深刻化した水不足問題と、観光の目玉であるクラゲ湖のクラゲの減少に伴う入場禁止が上げられる。

それでも中国大陸からの観光客が上位で、5,080人。しかし昨年の同じ月に比べ51.63%の減少だ。日本人観光客も2,301 人から1,627人と674人減っている。

台湾はほぼ同じで今年は 1,019人。昨年は1,051人だ。観光局の報告書は水不足が解消しても今年の観光客数は昨年より少ないであろう、と。

さらに、ADBの報告書によれば2015年の観光客数急増が特異な現象で今年の減少状況は予想できた。他方、観光客の急増は、パラオのインフラや環境に影響を与えている事も指摘している。

以上、下記のPacific Noteの記事から抜粋しました。

 

今パラオで疑問視されているのは、既にその意義が疑問視されている海洋保護区だ。ほぼ全面的商業漁業禁止で失う入漁料を観光客から徴収するのがこの案である。観光客数が相手国の事情や、パラオのインフラ問題でこんなに上下動するのであれば安定した収入が得られるのだろうか?

ADBの報告書には、ビジネスのインフラである、法律や投資環境、税制の改善も提案している。

 

ADBのレポートはこちらからアクセスできます。

POLICIES FOR SUSTAINABLE GROWTH REVISITED

A PRIVATE SECTOR ASSESSMENT FOR PALAU DISCUSSION DRAFT

http://media.wix.com/ugd/b54070_2dde20bcb79640fe953726ee6a0c0929.pdf

 

50%の水漏れする上水インフラや、故障ばかりする電気供給、殆ど機能していなかった海洋安全保障を放っておいて、悪徳弁護士や悪徳政治家ばかりが儲るタックスヘブンや、マネロンを進めて来た米国(日本人もやっているようですが)の責任なのではないだろうか?

なんのためにパラオを、ミクロネシアを日本から奪ったのか?

今年、戦後始めて日本の海上自衛隊がペリリューを訪ねる。「パシフィック・パートナーシップ」事業の一環で戦没者の慰霊行事もあるそうだ。

自衛隊がペリリュー島へ 激戦地を初訪問

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=171224