やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

第8回島サミットへ向けた提言

第8回島サミットが5月福島で開催される。

下記、日本・太平洋島嶼国友好議員連盟に提出した提言です。(公開できない情報もあるので原文とは多少違います。)

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まずは、米国が国家安全保障戦略の中でも明確にした通り、インド太平洋の安全保障を優先する中で、この1年をかけて旧日本領でもある米国の戦略的地域ミクロネシア諸国に対する支援策、中国の影響などを調査・評価することが議会で決まりました。*

冷戦終結後、ミクロネシア諸国の財政支援やインフラ支援など米国が放置した部分に中国の支援が入り、また北朝鮮を支援する便宜置籍船ビジネスなどブラックマーケットの温床となっている状況です。よって北朝鮮拉致問題を抱える日本の国益とも直結する事案であり米国との連携は必須と考えます。ミクロネシア地域は日本にとって地理的、歴史的、また経済的にも密接な関係があり、広大な海洋は日本の水産資源と安全保障にも結び付いています。

この米国議会の対ミクロネシア政策調査に、日本も積極的に関わり日米共同の対ミクロネシア支援策を構築すべき時だと考えます。

なおパラオは九州・パラオ海嶺の大陸棚管理のためにも日本との何がしかの政府レベルの協力を希望しています。

二つ目は、島サミットに今まで参加した事のない、フランス、英国、インドのオブザーバー参加を日本が議長国として招待することをご提案します。

先般インドで開催されたRaisina Dialogueでは「インド太平洋戦略」一色であったと聞いております。現在インド太平洋の両方の海に領土を保有しているのはフランスと英国です。フランスはそのEEZの70%が太平洋にあり、30%がインド洋にあります。また英国は英連邦メンバーでもある多くの島嶼国を抱えており、EU離脱以降は英国独自の外交安全保障政策がインド太平洋に於いて展開されると予想されます。インドはフィジーの人口の半分を占め、国家としてではありませんが太平洋島嶼国と100年以上の関係を構築しております。

そこで、太平洋島嶼国の面子を飽くまで尊重する形で、米国に並んで英仏印のオブザーバー参加を得ることで、「インド太平洋戦略」がより強固で具体的な戦略になると考えます。これは島嶼国が具体的に海洋安全保障や海洋経済開発を進める時に、国家規模の限界から実施困難である場合、関係諸国から公平な支援を受けるためにも重要です。

* SEC. 1259D. STUDY ON UNITED STATES INTERESTS IN THE FREELY

ASSOCIATED STATES.

https://www.congress.gov/bill/115th-congress/house-

bill/2810/text?q=%7B%22search%22%3A%5B%22hr2810%22%5D%7D&r=1#toc-

H9C0DF050A55D4597AA251AEBEF15D6A5